今週末2月8日(土)より「高松宮記念杯 第46回全日本実業団バスケットボール選手権大会」が開幕する。東京体育館のメインアリーナ4面+サブアリーナ2面の合計6面で繰り広げられる予選リーグ。1度に行われる試合数はウインターカップよりも多い。男子に至っては、1チーム当たり1日2試合を戦う日もある。予選リーグを勝ち抜いた男子8チーム、女子4チームが決勝トーナメントへ進み、第46回目の実業団チーム日本一を決める。
2月10日(月)男子準々決勝と、翌11日(火・祝)男子準決勝、男女決勝は代々木第二体育館で開催。オールジャパンに出場した男子・日本無線、九州電力、JR東日本秋田、曙ブレーキ工業、女子・山形銀行、秋田銀行、今治オレンジブロッサム、鶴屋百貨店も出場。昨年の優勝は男子・九州電力(3年連続4回目)、女子・秋田銀行(5年ぶり7回目)。
大人たちの真剣勝負を応援しに、ぜひ会場へ足を運んでいただきたい。
63年の歴史に幕が下ろされようとしている女子・東京海上日動
1951年にチームを創設し、WJBL2011-2012まで下部リーグW1に在籍していた東京海上日動ビッグブルー。1リーグ制となった昨シーズン、WJBLから脱退し実業団連盟に加盟。しかし、今シーズン限りでチームを去る選手が多くいることで、63年の歴史に幕が下ろされようとしている。
東京海上日動#23横井美沙選手は、高いレベルを求め、知人の紹介で昨シーズンからチームに迎え入れられた。
170cmのフォワードプレイヤーは、アグレッシブなドライブやシュートタッチ良いジャンプシュートで得点を積み重ね、関東予選決勝の三井住友銀行戦では、40点を挙げる活躍でMVPを獲得。インサイドを任される場面も多く、パワフルなプレイをする印象を受けたが「体をぶつけるのは苦手」と話している。
東京海上日動にやって来る前は、長野県のクラブチームでプレイしていた横井選手。グラスルーツを辿って行くと、佐久長聖高校で全国大会出場。その後は長野大学に進学しバスケ部ではあったが、インカレ出場経験なし。卒業後は地元のクラブチームに在籍し、ずっと長野県でプレイし続けていた。しかし向上心ある横井選手は、WJBLのトライアウトがあれば上京したり、高いレベルでプレイすることを追い求め、東京海上日動に辿り着く。
「クラブチームは長野県内だけの対戦でしたので、関実と比べるとすごくレベルは低いです。当たりも弱いので、関実では吹かれないようなファウルもすぐに吹かれてしまいます。当たりの違いや、周りの選手たちの上手さを関実に来てすごく感じており、プレイするのがすごく楽しいです」
レベルの高い実業団での楽しい日々
東京海上日動の一員となったことで、全国につながる環境も手に入れた。
「県外で試合ができることが高校以来です。毎日が勉強の日々ですが、本当に楽しいですね」
しかし、この楽しい日々にピリオドを打たなければならない可能性があるのは何とも残念だ。チーム消滅が表面化してから、現役を続ける選手たちは移籍先を探し始めてもいた。上昇志向ある横井選手にとっての夢は何か、伺ってみた。
「常に上を目指すことを忘れずにプレイしています。今よりももっと高いレベルでプレイできれば一番良いのですが…」
例年行われていたWJBLのトライアウトも、実技試験を行わずに終えた2011年以降、募集は見ない。社員の福利厚生で行われる実業団チームにとっての移籍は転職でもあり、そのハードルは高いと言える。
存続の危機と言えば、WJBLの山梨クィーンビーズも同じだ。存続を要望する署名を行われてもいる。JAL黄金時代を築いたイム ヨンボHCを迎えた今シーズン。厳しい練習を重ねて来たことが少しずつ開花し始めて来たことで、結果こそ出ていないが好ゲームが多い。来シーズンこそ楽しみなだけに、廃部となるのはとても惜しい。
東京海上日動もまた、有終の美を飾るためではなく、さらなる道を切り拓くためにも日本一を目指したいところだ。
「どこにも負けないチームワークの良さ。チームプレイを徹底しています」
横井選手が挙げたチームの強みを最大限に生かし、いざ全国の舞台へ。
- 2月8日(土)【Dコート】14:30 東京海上日動 vs 今治オレンジブロッサム
- 2月9日(日)【Eコート】14:30 東京海上日動 vs ミツウロコ
- 2月10日(月)【Cコート】11:40 東京海上日動 vs 滋賀銀行
高松宮記念杯 第46回全日本実業団バスケットボール選手権大会
日本実業団バスケットボール連盟
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泉 誠一