本来であれば今年4月──
2016年のPリーグ発足へ向け、NBLとbjリーグのチームを交えた第1回会議が行われる予定だった。しかし梅雨入りした今なお、進展した話は聞こえて来ない。
昨年、一般社団法人日本バスケットボール選手会(以下選手会)は限られた時間の中で、まずは形を作るためにNBL全選手が加入してスタートを切った。今後は、bjリーグや他のリーグの選手たちと共存することを望んでいたが、早くも一つの形となる。
6月14日(土)に開催される「東日本大震災復興支援 日本バスケットボール選手会チャリティーイベント in 大船渡」。NBL24名に加え、被災地チームから与那嶺 翼選手(岩手ビッグブルズ)と志村 雄彦選手(仙台89ERS)のbjリーガーが参加。リーグの垣根を越えた選手たちが一緒になって復興支援活動が行われる素晴らしい試みだ。
東日本大震災復興支援 日本バスケットボール選手会チャリティーイベント in 大船渡
- 日時:2014年6月14日(土)13:30〜16:30予定
- 会場:県立大船渡高等学校
- 参加選手
桜井良太、野口大介、多嶋朝飛(レバンガ北海道)
山田大治、熊谷尚也(リンク栃木ブレックス)
小野龍猛、星野拓海(千葉ジェッツ)
竹内譲次、酒井泰滋(日立サンロッカーズ東京)
岡田優介、正中岳城(トヨタ自動車アルバルク東京)
橘佳宏、中村友也(つくばロボッツ)
橋本竜馬、金丸晃輔、比江島慎(アイシンシーホース三河)
鵜澤潤、朝山正悟(三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋)
久保田 遼、根来新之助(和歌山トライアンズ)
梁川禎浩、谷直樹(兵庫ストークス)
小野元、小林慎太郎(熊本ヴォルターズ) - 特別協力
与那嶺翼(岩手ビッグブルズ)
志村雄彦(仙台89ERS)
「日本のバスケットボールをもっとメジャーにしたい」という想いから選手会は発足した。
ファンサービスによる普及活動とともに、バスケがメジャーになるためには選手自身の強化もまた不可欠。このオフには、選手たちが自発的に取り組む「JBPAサマーキャンプ2014」がスタートしている。リーグの垣根を越えた選手やコーチが集い、トレーニングメニューを共有しながら切磋琢磨。すでに3回行われ、日本代表候補選手を含めたNBL選手やbjリーガー、NBDLの選手たちが参加。見学を含めてやって来たコーチ陣は国内全てのリーグを網羅していたと聞く。このサマーキャンプは連日公開されており、子供たちをはじめとした地元の方々が見学に押し寄せ、賑わいを見せているそうだ。
JBPAサマーキャンプ2014
6月16日(月)18:30-21:30 南長崎スポーツセンター
6月17日(火)15:30-18:00 江戸川橋体育館
6月19日(木)15:30-18:00 文京区総合体育館
6月30日(月)18:30-21:30 南長崎スポーツセンター
※参加選手は当日まで未確定
青木康平(ライジング福岡)が開催しているWATCH&Cアカデミーでも、エリートクラスとしてbjリーグとNBLの選手たちが集まり、ともに汗を流していた。シーズン間際になれば例年通り、NBL vs bjリーグによる練習試合が公開、非公開は別として行われることだろう。現場レベルではこれまでも、そしてこれからも交流は続く。だからこそ、リーグの決断が急がれる。
まずは同じテーブルに付き、3年後、10年後、50年後、100年後のバスケ界をより良くする実行案を出し合えば良いのではないか?
FIBAに言われたから一緒になろうという短絡的な話では、2020年東京オリンピック後、また同じ轍を踏むだろう。チームや選手の意見を聞くことも大事だが、それ以上にファンも含めたみんながワクワクするようなビジョンを示してもらいたい。
リーグが歩み寄らないならば、選手やチーム同士が垣根を越えた交流をさらに活性化させ、ボトムアップで乗り越えるのも一つの手段だ。どんどん交わって、既成事実を作っちゃえ!
泉 誠一