昨年10月、U-18女子アジア選手権で準優勝し、見事にアジア代表として世界への切符を手に入れた女子U-18日本代表チーム。そして今年、FIBA U-19女子世界選手権でさらなる飛躍を目指すはずだった──
3月12日、スイスにて7月18日から開幕するFIBA U-19 女子世界選手権の組み合わせ抽選会が行われた。しかし、そこにあるべき日本の名前はなく、“アジア”と記されたチームがグループAに振り分けられる。FIBAによる制裁がついに現実味を帯びた瞬間でもあった。
開催まであと約4ヶ月。
まだチャンスは残っているという淡い期待と、時間がないという不安が同居する。タスクフォースが改善案を示しながら迅速に対処へと導いてくれてはいるが、何ひとつ確定事項はない。6月20日に行われるFIBAセントラルボードで制裁解除される保証はなく、代替チームの準備期間を考えればやはり時間は無かった。
本日3月19日、JBAからリリースが送られ、最初の犠牲者が発表されたわけである。
FIBA からの通知内容
- 3月12~13日にFIBA 本部(スイス)にてエクゼクティブコミッティー会議を開催
- その会議において、女子日本代表の第 11回 FIBA U-19 女子世界選手権大会への参加を認めないことを決定
- 同時に、他のアジアでの大会の締め切りを、日本の代表チームの夏季の大会への参加の可能性を維持するために、6月20日(FIBAセントラルボード終了日まで)に延長することを決定
男子2リーグ並列状態に端を発し、JBAのガバナンスが問題視され、その改善案を求められていたが昨年10月末までの期限を守れず、日本は国際舞台から閉め出された。様々な問題は、外から言われなくも分かっていたはずだ。2リーグできてしまった時点で、大きな歪みができていたのに見て見ぬふりして月日だけが流れ、そのしわ寄せの最初の犠牲者が女子とは憤りを感じる。しかも、これが最初の世界舞台になる選手も多いアンダーカテゴリーであることがなんとも嘆かわしい。
次にがんばれば良い、という次元の話ではない。アジア予選で勝ち獲った世界選手権なのだ。女子日本代表はアンダーカテゴリーから世界舞台に継続的に出場していることで、高いレベルをキープできている。外国人選手が認められないWJBLにおいて、国際試合でしか外国人の高さや強さを経験できない。19歳の選手たちが大きな経験を得られるチャンスを逸してしまった悲しい事件と言えよう。
ユニバーシアードは7月3日、U-16女子アジア選手権が8月2日に控えている。今回、女子U-19日本代表は開催4ヶ月前に不参加が言い渡された。次はどのカテゴリーが犠牲になるのか?戦々恐々とする日々は続く。
絶対に同じことが起きぬよう、たとえ結果が覆らないとしても、JBAはこの件についてFIBAへ抗議や少なからず抵抗をしていただきたい。彼女たちのためにも──
泉 誠一