ワシントンD.C.で渡邊雄太に会ってきた。
デンマークからの留学生であるケビン・ラーソンと2人で歩いて来たのが、彼の地で再会した瞬間だった。
昨年、ジョージ・ワシントン大学(GW大学)へ進む前に一時帰国した時も、RAISE HIGH.TVを日本で見ていた時も、雄太の体は大きくなっている。
そう感じていたが、雄太より約20kg重い118kgの分厚い体を持つラーソンと並んでいると、やっぱり細い。
「あいつと比べないでくださいよ」
NCAAのデカさを実感させられた瞬間であり、屈強な猛者どもと日々対峙していることに驚かされた。
2連敗中のGW大学は悪い流れを断つべく、2月18日のデビッドソン大学戦で初めて雄太を先発で起用。
だが惜しくも63-65で敗れ、3連敗を喫した。
敗戦後のミーティングを終え、一度インタビュールームへ向かおうとした雄太だったが、マイク・ロナーガンHCに呼び止められ、再びロッカールームへ戻る。
5分後、偶然にも多くの日本人メディアが揃った記者会見が始まった。
「ここ6試合でデイトン大学(2月6日/65ー64延長)に勝った以外は負けていますし、前回の試合はVCU相手に(今シーズン)初めてホームで負けてしまいました(66-79)。今日の試合も本当に大事でしたが、スカウティングの時点で相手の3Pシュートを止めにいかなければいけないことは分かっていたのに、最初から何本も連続でやられてしまいました(試合開始から4連続3Pシュートを許す)。前半は、8点差(31-23)の良い形で終われましたが、後半はディフェンスを崩され、いきなり8ー0で追いつかれてしまい、そこからは全然ダメでしたね」
雄太自身のFGは1/6、3Pシュートを1本決めただけに終わった。
「出だしでいきなりエアボールをしてしまい、シュートタッチがあまり良くないな、と思っていました。決めた3Pシュートも正直言うと打った瞬間に外れたと思っていたので、あれはラッキーでした。今日は全体を通して、シュートは最悪でした」
3Pシュートを武器として活躍を続けているが、マークが厳しくなり、精度を欠いている。
「シュートを毎日練習していますし、ちょっとでもスペースが空いたら打とうというのは自分の中で決めています。でも、最近は自分でも、入っていないのに3Pシュートに頼りがちになっていて、確率もどんどん落ちてしまっているので、ドライブの技術も身につけていきたいです。今日の5点中、フリースローをもらったプレイは、3Pシュートを打たずにドライブに行ってファウルをもらえたので、あのようなプレイをもっと増やしていかなければいけないと思います」
活躍すればするほど、相手のスカウティングの厳しさは増していく。
「最近は僕の弱いところをいっぱいつかれたりしているので、プレイの幅をもっと広げて行かないといけないと痛感しています。今は本当に成長しないといけない時期だと感じています」
レギュラーシーズンも早いもので残すはたった5試合。その後、アトランティック10(A10)ディビジョンでのチャンピオンシップが行われ、ここで優勝すればNCAAトーナメント“マーチマッドネス”へ進むことができる。
「ここ何試合かは負け越しているので、チームのみんなの精神的な状態も少し落ちています。次のリッチモンド戦がすごく大事になってきます。そこで自分たちのプレイを取り戻し、A10チャンピオンシップ前までのゲームを良い形で全部勝つことができれば、調子を上げた状態でトーナメントに入っていけます。優勝できるチャンスは全然あります。そのためにも残り5試合をしっかりとつなげていきたいです」
連敗脱出へ向けたリッチモンド大学戦は現地2月15日(土)16:00(日本時間16日6:00)よりティップオフ。
もう負けられない!
NCAAは夢の舞台でも、挑戦する場でもない。GW大学が自分の居場所となり、チームのために勝利を目指す。
※『BASKETBALL SPIRITS』vol.5(3月18日発売予定)において、渡邊 雄太選手のさらなるインタビュー記事を掲載します!
- 2月21日16:00 vs Richmond(AWAY)
- 2月25日19:00 vs ST. BONAVENTURE(HOME)
- 2月28日19:00 vs Davidson(AWAY)
- 3月04日19:00 vs George Mason(AWAY)
- 3月07日15:30 vs MASSACHUSETTS(HOME)
- 3月11日〜15日 Atlantic 10 Championship(Barclays Center)
泉 誠一