「エクストリームバスケ観戦」の記事の前日(12/6・土)、同じく『エスフォルタアリーナ八王子』を訪れた。行われたのはbjリーグ、東京サンレーヴスvs大阪エヴェッサ。試合の興味はもちろんだが、やはり新しく出来たアリーナのことも気になっていた。
学生時代に慣れ親しんだ八王子。大学にはJR高尾駅からバスで通っていたこともあり、アリーナの最寄駅『京王線狭間駅』には、JR高尾駅から乗り換えて行ってみた。かつてのイメージ(といっても数十年も前だが)からは、駅近のアリーナは想像できない。ところが──駅から30秒──というアクセス情報に偽りはなかった。入口に立って振り向くと、狭間駅の改札は写真の通り。選手のパネルやbj&WJBLのポスターが出迎えてくれた。
返す返すも高尾山に登らなかったことが悔やまれる(学生時代も登らなかったが)。確かにバスケ観戦+αの楽しみ方はいろいろある。
若手が活躍する両チーム
明暗を分けた“ケミストリー”
さて、試合のほうは88‐57と大阪が圧勝した。これで13勝7敗の大阪はウェスタンカンファレンスの5位。強豪チームとの対戦を控えているが、1つでも順位を上げてプレイオフ進出を確定させたいところ。
一方の東京は4勝16敗と黒星が先行。226cm、国内最長身プロバスケットボールプレイヤー、#45ウィル・フォスターを擁してリバウンドはほぼ互角だったが、ターンノーバー「16」というミスが響いた。
そのミスを誘ったのは、大阪のガードコンビ、#1今野 翔太、#32畠山 俊樹のディフェンス。シュートが決まるとすぐにプレッシャーを掛け、東京にオフェンスのリズムをつくらせなかった。攻めても今野が2本の3Pシュートを含む18得点、畠山も8得点6アシストと持ち味を発揮し、試合の主導権を渡すことはなかった。
東京は#37井手 勇次がチームを牽引。第1Qは積極的なオフェンスで20‐26とまずまずのスタートだった。が、この日は第2Q、第4Q(オンザコート3)がいずれも1ケタ得点で、「偶然かも知れませんが、この原因をしっかり追究しなければ……」(青木 幹典HC)と敗因のひとつになってしまった。井手を始め、外国人選手らも果敢に攻めたものの連係は今ひとつ。タフショットが多く、得点を伸ばすことができなかった。
若手に負けず、元気なベテラン
この試合は、両チームとも日本人の若手選手の活躍が目を引いた。しかしながら、2人のベテランが変わらぬプレイを披露してくれたのも嬉しかった。大阪#3石橋 晴行(41歳)と、#45仲村 直人(38歳)だ。
石橋選手は1996年、日立大阪でキャリアをスタート。その後、アイシン精機や横浜ギガキャッツ(2003年オールジャパンベスト8)で活躍し、大阪エベッサの初代キャプテン。bjリーグ初制覇に貢献した後、滋賀や京都、岩手でプレイをし、再び大阪へ。今シーズン、またキャプテンとして大阪4度目の優勝を目指している。
仲村選手はインターハイ準優勝(北中城高)、インカレ優勝(日体大)という経歴の持ち主。1999年に松下電器でデビューすると、日本代表の一員としても活躍した。その後、2006年に富山へ(※1)。2007年、トレードにより大阪入り(bjリーグ初のトレードとか)を果たすと、京都、岩手への移籍を経て、再び大阪へ復帰した。
※仲村直人選手はアーリーチャレンジ制度により、富山グラウジーズと契約。また、直ちに移籍(トレード)により大阪エヴェッサに移籍。富山でのプレイ歴はなし。
「今日はディフェンスからよく走れたと思います。ウチは若手が多いので、引っ張ってもらっています。もう3年ぐらい前からそうしています(笑)昔は苦しい思いもしましたが、今はバスケを楽しめているかも知れませんね」と、bjリーグのレジェンド、石橋選手は笑顔でコメントをくれた。
「長持ちの秘訣!? なんでしょうね(笑)」──シューティングガードとしての自分の役割を守り、チャンスと見るや積極的にシュートを狙っていた仲村選手。“体をしっかりケアすること。試合でも練習でも無理をせず、上手くギアを変えること”がその答えのようだ。若手をサポートし(されながら!?)優勝を目指す2人の活躍が、若手の良い刺激になっているはずだ。大阪ブースターに愛される2人のますますの活躍を期待したい。
レギュラーシーズンは定食
プレイオフはスペシャルメニュー
東京サンレーヴスの球団事務所近くで見掛けたポスター。レギュラーシーズンは“いつもの”定食であり、何度食べても飽きがこない。バスケも同じ。いつでも気軽に観戦に訪れて欲しい。もしも行ったことがない会場で試合があるならば、どんなところかをチェックして、ぜひ「エクストリームバスケ観戦」を!
そして、ブースターの応援でチームを盛り上げながら、プレイオフへ勝ち上がるよう祈りましょう。皆で味わうスペシャルメニュー(=プレイオフ)は、格別に美味しいはずです!!
文・羽上田 昌彦(ハジョウダ マサヒコ)
スポーツ好きの編集屋。バスケ専門誌、JOC機関紙などの編 集に携 わった他、さまざまなジャンルの書籍・雑誌の編集を担当。この頃は「バスケを一歩前へ……」と、うわ言のようにつぶやきながら現場で取材を重ねている。 “みんなでバスケを応援しよう!”を合言葉に、バスケの楽しさ、面白さを伝えようと奮闘中。