過去8シーズンのbjリーグにおいて、頂点へ登り詰めることができたチームは、たった4つしかない。
優勝をつかみ獲った経験は何ごとにも代え難く、だからこそ、そのうちの3チームが連覇や複数回の優勝を成し遂げている。
歴代優勝チーム
- 2005-06 大阪エヴェッサ
- 2006-07 大阪エヴェッサ
- 2007-08 大阪エヴェッサ
- 2008-09 琉球ゴールデンキングス
- 2009-10 浜松・東三河フェニックス
- 2010-11 浜松・東三河フェニックス
- 2011-12 琉球ゴールデンキングス
- 2012-13 横浜ビー・コルセアーズ
優勝へ向けた足がかりとなる第一歩がプレイオフ進出を決めることである。逆に言えば、いくらレギュラーシーズンで1位を獲っても優勝したわけではない。優勝争いのステージへ行くためには、最低でも各カンファレンス6位以内に入る必要がある。昨年、創設2年目でbjリーグを制した横浜。唯一、連覇できる資格を持つチームだが、優勝争いへ向かうプレイオフ進出が未だに確定しておらず、その圏外からはみ出している状況だ。
レジー・ゲーリーHCがNBLへ移籍した千葉ジェッツへと渡ったが、優勝チームのアシスタントコーチとしてゲーリーHCを支えて来た勝久マイケル氏がヘッドコーチに昇格。昨シーズンはプレイヤーとして優勝を経験した青木勇人氏が、今シーズンはアシスタントコーチとなって勝久HCを支える。総入れ替えとなった外国人と3人しか契約できなかった状況で開幕を迎えたが、それでもファイナルMVPを獲得した蒲谷 正之をはじめとした要の日本人選手が残ったのは大きい。
その結果、10月は4勝2敗と、まずまずのスタートを切ることができた。現在、上位にいる岩手ビッグブルズや富山グラウジーズに勝利を挙げた11月。12月にはマーカス・シモンズが横浜に戻り、外国人4人体制となった初戦で、当時首位を走っていた秋田ノーザンハピネッツを破る。年末の交流戦は4連勝し、2013年を締めくくった。その時点で13勝11敗。
約3週間、ずいぶんと試合が開いて迎えた年が明けは、4連敗からスタート。それでも琉球ゴールデンキングスにはダブルオーバータイムまで持ち込む粘りを見せる。また、大阪エヴェッサ戦は蒲谷、堀川竜一をケガで欠いた。さらにウェイン・マーシャルもケガで一時戦列を離れた2月であったが、それでも3勝5敗で凌いでおり、5割を少し下回る通算16勝18敗。
シーズンも終盤へ向かうにつれてチーム力が増して行くライバルたちだが、横浜は少しずつ歯車が狂い始め、3連敗を喫す。負けられない6位青森ワッツを迎えたホームゲームは、まさかの1勝1敗。しかも直接対決では青森が上回り、勝率が並んでも追い抜けない大きなビハインドを背負ってしまう。その後、チームは4連敗。順位こそ変わらないが、6位青森ワッツの背中が徐々に離れて行ってる状況だ。
プレッシャーはもちろんある
様々な原因があることだろう。同時に、ディフェンディングチャンピオンとして、プレイオフへ行かねばならない重たいプレッシャーがのし掛かっているように見える。それが、選手たちのフラストレーションとなり、そのはけ口を探すように蒲谷が吠え、山田謙司が眉間にシワを寄せているようにさえ見えてしまう。
4月7日、下位にいる群馬クレインサンダーズに連勝できなかった試合後、勝久HCが重たい口を開いた。
「プレッシャーはもちろんあります。今シーズンはいろんな苦しい状況の中で戦って来ました。外国人選手が3人しかいない中で今シーズンを迎え、ケガ人が多かった2〜3月でしたが、チーム内ではそのことに対して一切言い訳はしておらず、ブースター、そして自分たちは“勝ち”を求めて戦って来ました。でも、僕自身もどこかでやっぱりプレッシャーを感じていますし、ディフェンディングチャンピオンとしての意地を見せなければなりません。横浜は2年連続で有明コロシアムへ行っています。ブースターは、あの舞台での戦いを見慣れていますし、それに対するプレッシャーも感じています。しかし実際に仕事をする時に、そのことを頭に入れていてはいけないですし、目の前の試合の内容を求めて、勝ちにこだわって集中して取り組んでいます。ただ、このような負けた後は、特にプレッシャーを感じます」
プレッシャーとともに、ターンオーバーの多さも指摘している。敗れた群馬戦でも19本のターンオーバーを犯した。
「今シーズンは平均ターンオーバーがものすごく多いです。一人ひとりのディフェンスでの1on1が少し弱い。今シーズン全体を通してそこができておらず、プレイオフに行くためにもその点が大事になってきます。1ゲームずつ反省し、今日は相手のディフェンスに対してボールが止まってしまいました。そこをまず修正して次の試合に備えたいです」
4月7日現在、652本、1試合平均14.2本のターンオーバーを数える。しかし、3月30日に行われた新潟アルビレックスBB戦は、24本ものターンオーバーを犯しながら、95-89で勝利を挙げた。原因はいろいろあるが、もう一度、自分たちのバスケットを取り戻し、ミスを恐れずに思い切って戦うしかない。そして、時間も無い。
残りはたった6試合。現在8位の横浜は、3ゲーム差ある6位青森、7位仙台89ERSの勝率を上回ればならない。他力本願ではあるが、プレイオフ進出の望みは十分に残っている。だからこそ、平日の夜にも関わらず、群馬の地に多くのブースターがベンチ裏を占拠し声援を送り続けた。
残り6試合中4試合がホームゲーム。ホームゲーム数は仙台と同じだが、アウェイと言っても群馬よりもずっと近い、横浜市の隣にある町田市にて東京サンレーヴスと対戦。最後の秋田戦以外は、下位チームが相手。絶対に落とすことができないが、すでにプレイオフ進出が消滅したチームほど厄介なものもない。今こそプレッシャーに打ち勝ち、相手に勝つ試合が求められる。そして、そのメンタリティを持っているのが、チャンピオンチームでもあるはずだ。
4月12日(土)18:00 横浜 vs 埼玉@横須賀アリーナ
4月13日(日)14:00 横浜 vs 埼玉@横須賀アリーナ
4月19日(土)18:00 横浜 vs 東京@町田市立総合体育館
4月20日(日)14:00 横浜 vs 東京@町田市立総合体育館
4月26日(土)18:00 横浜 vs 秋田@平塚総合体育館
4月27日(日)14:00 横浜 vs 秋田@平塚総合体育館