初めて履いたバスケットボールシューズを覚えていますか?
ミニバスの時、アシックスの“布バッシュ”を買ってもらったのが最初のバスケットボール専用シューズでした。もう売られていないようですが、いわゆるコンバース・オールスターハイカットのアシックス版です。
最初にどのメーカーを履くかはすごく大事であり、中学に進んだ1年目も必然的にアシックスを選んでいました。当時新発売された足首をホールドするマジックテープを採用したアシックス「セイフティーロック」。ナイキ・エアフォース1が出始めていた頃であり、“ベロクロ”時代の幕開けでした。
白ベースからエア・ジョーダン誕生により足下がカラフルに!
のちの90年代スニーカーブームで高騰するレアキックスがプロパーで発売されていた中学時代。
ロサンゼルスオリンピックがあり、マイケル・ジョーダンがプロとなり、デビッド・スターンコミッショナーが誕生し、NBA革命が始まった80年代中頃。ダンク、ジョージタウン、ブルックリン、ビッグナイキなどなどマニア垂涎のバッシュが部室に転がってました。
エア・ジョーダンが産声をあげた1985年。白ベース縛りがある中学生にとっては、赤×黒の配色に憧れではなく、抱いたのは抵抗感。体罰厳しい我が恩師でしたが(笑)、バッシュには寛容で「どんどん人と違うのを履け」と勧めます。赤×白×黒、白×メタリックブルーをチームメイトはチョイス。
もし、マイケルがシカゴ・ブルズじゃなかったら、例えばシアトル・スーパーソニックスだったら赤×黒ではなく、グリーン×イエローだったかもしれないわけで…。エア・ジョーダン1stは当時からいろんな色があり、卒業する頃には履きつぶされたバッシュの山がカラフルだったと記憶しています。今、こんなに足音がカラフルになったのもジョーダンのおかげなのです。
中学2年〜高校まではいろいろ履きながらも、周りに履いている人がいなかったPONYを主として愛用。NBAダンクコンテストを制した小さな巨人、アンソニー・スパッド・ウェッブが履いていたということもきっかけでした。ジョーダンに憧れていたスパッド・ウェッブが、PONYに同じカラーリングで作成を依頼したのがシティ・ウィングス。
スニーカーブームの頃、エア・ジョーダンのニセモノ扱いされることもありましたが、これはオマージュ。
80年代、スター以外のNBA選手は支給されたようにPONYを履いていました。その後、90年代に入ると見かけなくなりましたが、2000年代にPONYが復活(?)。2002年渡米時、NYタイムズスクウェアに大きな広告が出ていたのには感動しました。今でも中国などアジア圏では直営店をよく見かけます。
変わり種と言えば、エトニックのアキーム・オラジュワンモデル。白×赤×イエローのヒューストン・ロケッツカラーが目を引いたのですが、2週間ほどしか履けなかった悲しい一足。練習試合先から直帰した方が家が近かったため、学校に戻る後輩に預けたところ、忘れられてしまったわけです。預けた自分が悪いと悔やむしかありませんでした。
ちなみにシティ・ウィングスも、エトニックのアキーム・ザ・ドリームも復刻されており、購入できます(詳細は下記リンクより)。
コートからアスファルトへ
練習に明け暮れた中高生時代、アシックス以外は3ヶ月も持たずにすぐに壊れませんでしたか?
エア・ジョーダン3やアディダス・エルドラドは1ヶ月ほどで側面が破れ、テーピングで補強しながら騙しだまし履いたりしたものです。にも関わらず、セイフティーロック以降、アシックスを履くことはありませんでした。ダサイと思っちゃってましたね。
アシックスは世界的なメーカーとなり、昨今は海外において履いている人を多く見かけます。そもそもナイキの原型はオニツカだったわけであり、日本人として誇りを持ってアシックスを履くべきだと今では思っています。NYの中心街に直営店があり、フットロッカーに行けば必ずアシックスコーナーがドンと構えられていました。
歳を取るにつれて趣味嗜好は変わるようで、今ではアシックスも本気を出すときに愛用しています。やぼったい「N」のマークで、目立ったバッシュもなかったニューバランスを高校時代は嫌いでした。しかしアラフォーとなり、ランニングシューズのクッション性を知ってしまった今では手放せ……足放せません。
コート上で履く数を凌いでいると思われるほど、多くの方がアスファルトの上で愛用されてるバスケットボールシューズ。
中学時代、バッシュのカッコ良さに魅了され、部活で履きつぶした後、タウンシューズとして二次利用。しかし、当時は数奇な目で見られました。「アイツ、バッシュを外で履いてるぜ」……と。
その1年も経たないのち、RUN DMCの登場により、一気に形勢逆転。アディダス・スーパースターを履いて、早口言葉をまくし立てるRUN DMCが突破口を開いてくれました。バッシュがファッションアイテムへと移り変わっていった瞬間です。
初めて履いたバスケットボールシューズを覚えていますか?と冒頭で伺いましたが、バスケ経験がなくても、それぞれのファーストバッシュがあるはずです。
オールスターですか?
アシックス・ジャパンですか?
ジョーダンシリーズですか?
それとも新星シグニチャーモデルのアディダス・J WALLやアンダーアーマー・カリー1から始めますか?
日本代表をはじめ、日本の主要チームをサポートするアンダーアーマー。NYのフットロッカーでの売り場面積は充実しており、ステファン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)最初のシグニチャーモデル“カリー1”が売られていました。まだ、日本での正規販売はしていないようですが、その準備は着々と進んでいるという噂。
日本の男子リーグを観に行けば、アンダーアーマーを履いている選手も急激に増加中。数年前、アメリカから定期的に送られていたEast Bayのカタログでシューズ展開が始まったことを知り、その後の急成長は日本でも流行りそうな予感はしていました。“カリー1”しかり、アメリカと同じものが流通されれば、さらなる地位を確立されることでしょう。
ネット環境が便利になったことで、買い物に国境は無くなりました。それに防御戦を張るように各メーカーはどの国で買っても遜色ない値段となっています。円安のアメリカでは、高いとさえ感じました…。
新年度を迎える春、新しいシューズが欲しくなっちゃいます。
アシックス
アディダス
アンダーアーマー
エトニック
コンバース
ナイキ
ニューバランス
PONY
泉 誠一