ALL JAPANの出場チームは、男女トップリーグのNBL13、WJBL11に加え、男子はNBDL上位3チーム、インカレ上位8チーム(学生)、社会人選手権上位2チーム、高校選手権(インターハイ)優勝チームと、全国9ブロックを勝ち抜いた計36チーム。女子はNBDLに相当するカテゴリーがないが、社会人選手権枠が上位3チームまでに与えられ計32チーム。全国9ブロックの代表チームは実業団やクラブ、学生などカテゴリーはさまざまだ。最終的には男子11、女子13の学生チームが出場している。
11→2 男子、13→4 女子
下剋上なるか!?
大会2日目を終えて残ったのは、男子が筑波大(シード)と拓殖大の2チーム。女子は東京医療保健大、早稲田大、白鷗大、筑波大の4チーム。3日目以降はシードのトップリーグ上位陣が登場するだけに上位進出は難しいと言わざるを得ない。
ただ、学生チームが頑張るコートは大いに盛り上がる。元旦(1日目)の駒沢体育館では慶応大が九州電力と対戦し、最後の最後まで手に汗握る接戦を演じた。そして残り4秒、#10大元孝文のシュートが決めて53-51とし、そのまま逃げ切って2回戦へ。
同じく駒沢体育館に登場した流通科学大は豊田通商名古屋と対戦。こちらは完敗だったものの選手やベンチ、応援席も常に大きな声が出ていて元気いっぱい。最後までハッスルプレイを見せてくれた。
近畿大と曙ブレーキの対戦は一進一退の攻防が続き、残り1分に近畿大が#22シェリフ・ソウのシュートで68-67とリード。ところが残り3秒、曙ブレーキのキャプテン#15田中洋貴にシュートを決められ68-69。最後は#33藤田俊祐の3Pシュートが外れ、1点差で涙を飲んだ。
国立代々木第二体育館では、明治大がNBLのプロチーム和歌山をあと一歩のところまで追い詰めた。残り4分までリードした明治大だったが、最後は和歌山が意地の反撃。明治大は頼みのキャプテン#12中東泰斗が5ファウルで退場すると、逆転を許してしまった。
女子では大阪体育大vs紀陽銀行がオーバータイムの大接戦。近畿総合選手権(近畿ブロック予選)の準決勝で対戦した際は1ゴール差の接戦で大阪体育大が勝利しており、その再現となった。
その他の学生チームの成績は以下の通り。
【大会1日日:学生チーム勝敗】
■男子
中京大 ●68-97〇 千葉ジェッツ
拓殖大 〇94-68● 福岡大学附属大濠高
日本経済大学 ●64-90〇 東京エクセレンス
大東文化大 ●58-100〇 熊本ヴォルターズ
近畿大 ●68-69〇 曙ブレーキ
明治大 ●76-80〇 和歌山トライアンズ
国士舘大 〇95-52● UNITE
慶應義塾大 〇53-51● 九州電力
東海大 〇121-43● EBETSU W・B
流通科学大 ●60-135〇 豊田通商名古屋
■女子
大阪体育大 〇70-62● 紀陽銀行
順天堂大 〇81-55● アカシアクラブ
愛知学泉大 〇68-56● 鶴屋百貨店
筑波大 〇69-56● 環太平洋大
松蔭大 ●38-62〇 秋田銀行
西南学院大 〇76-51● 今治オレンジブロッサム
大阪人間科学大 〇84-48● 東海大学九州
トップリーグのつくばを拓殖大が撃破!
そして2日目は、拓殖大がつくばロボッツと対戦し見事な勝利を収めた。NBLで未だに勝星のないつくばは主力の2人(#10中山和之、#33ラマー・サンダース)が不在で精彩を欠く。第1Pでいきなり23-6とペースをつかんだ拓殖大が、23得点13リバンドと安定した活躍を見せた#23ジョフ・チェイカ・アハマド バンバを中心に冷静な試合運びでUPSET。
前日、121得点で大勝した東海大は豊田通商名古屋との一戦。結果は97-106で敗れたものの、素晴らしい活躍を見せたのが#0ベンドラメ礼生。3Pシュート9本(9/13)を含む42得点に6アシスト6スティール。残り21秒、97-102の場面で放った3Pシュートは惜しくも外れたが……何よりもアグレッシブなプレイでチャレンジする気持ちの前面に出していたのが東海大だった。
女子ではアイシンAWに挑んだ大阪人間科学大が善戦。第3Pまで41-45と食い下がったが、第4Pで突き放されてしまった。女子は3日目のカードが注目だ。学生No.1の早稲田大が新潟アルビレックスBB(WJBL8位)と、学生2位の白鷗大がWJBL7位のトヨタ紡織と対戦する。
ベスト8に残れば男子は代々木第1で、女子は代々木第2で試合が行われる。1月4日(日)に、多くの学生バスケファンが声援に訪れることを期待したい。
【大会2日日:学生チーム勝敗】
■男子
拓殖大 〇65-55● つくばロボッツ
東海大 ●97-106〇 豊田通商名古屋
慶應義塾大 ●55-97 〇兵庫ストークス
■女子
東京医療保健大 〇67-57● 大阪体育大
早稲田大 〇96-58● 順天堂大
白鷗大 〇67-63● 愛知学泉大
筑波大 〇88-65● 桜花学園高
立教大 ●62-76〇 秋田銀行
西南学院大 ●61-84〇 羽田ヴィッキーズ
大阪人間科学大 ●50-65〇 アイシンAW
【大会3日日:学生チームの試合】
■男子
拓殖大 - トヨタ東京
筑波大 - 東京EX
■女子
東京医療保健大 - JE-ENEOSサンフラワーズ
早稲田大 - 新潟アルビレックスBB
白鷗大 - トヨタ紡織サンシャインラビッツ
筑波大 - デンソー アイリス
文・羽上田 昌彦(ハジョウダ マサヒコ)
スポーツ好きの編集屋。バスケ専門誌、JOC機関紙などの編 集に携 わった他、さまざまなジャンルの書籍・雑誌の編集を担当。この頃は「バスケを一歩前へ……」と、うわ言のようにつぶやきながら現場で取材を重ねている。 “みんなでバスケを応援しよう!”を合言葉に、バスケの楽しさ、面白さを伝えようと奮闘中。