スマートな旧JBL勢に勝つためにプレイの原因を追及しながらバスケIQ向上中
昨シーズンはデイトリックつくばの一員として、JBL2でプレイ。そして今年から、チームが変わったつくばの一員として新リーグNBLへ参戦することとなった。
「1on1であれば自分にもできる自信はありますが、JBLを経験して来た選手たちは上手いですし、かしこいプレイをしています。今は無理せずに、周りをうまく使って自分もフリーになった時にしっかりシュートを打てるようなプレイを心がけています。相手のスマートなバスケットに対応していかないといけないというのが一番大きいです」
これが田中が感じている旧JBL勢との違いである。
バスケIQを高まるために、つくばではどのような取り組みをしているのだろうか?
「今シーズンの練習では、走ることよりもワンプレイワンプレイを止めながら、フリーの選手ができたときになぜフリーになってしまったのかなど、必ずそのプレイごとに何かしらの原因があります。それをビデオを見て確認したり、コーチから指示を受けながらみんなで成長している段階です。中川選手からも、マンツーマンの時の動き方なども細かく教えてもらっているので、個人的には練習で指摘されたことを意識しながら試合をしています」
試合中にも関わらず田中は、#33ラマー・サンダースと激しい口論を繰り広げていたのが目に付いた。
「ディフェンスのコミュニケーションミスで起きたことに対してちょっと言い合っていました。でも、チームの中ではお互いに言いたいことは言い合って行こうと話してもおり、ラマーともちゃんとあの場面で解決ができています。何も言わずそのまま流してしまうよりは、お互いしっかり指摘し合って解決する方がチームとして向上すると思っています。まぁ、その前にコミュニケーションミスから生じてしまったことではありますが…。でも、昨シーズンまではこのように言い合うこともできていなかったので、その点は成長している点だと思います」
“仲間を信じ、チーム力で闘う”つくばは、本当の意味で信じ合えるためにも意見を言い合い、その一つひとつがチーム力向上につながっていくはずだ。
田中大地=SOMECITYで活躍したマイケル
第8節を終えて3勝13敗、ウエスタンカンファレンス最下位。しかし兵庫ストークス、熊本ヴォルターズも3勝止まりであり、上位4チームに与えられるプレーオフ圏内もまだまだ実現可能だ。本来は東日本にいるつくばが、あえてウエスタンカンファレンスに行ったのも、プレーオフを狙える可能性があるからであり、今後の努力次第では上昇できる位置にいる。
田中と紹介してきたが、SOMECITYを見ていた方々にとってはマイケルと書いた方が分かってもらえることだろう。SOMECITYではTEA☆TIMEやTOKYO BEASTの一員としてダンクを披露していたあのマイケルだ。NBL オールスターゲームではSOMECITYとともに3×3 UNPLUGGEDが開催される。すでにつくばのチームメイトである中川、そしてトヨタ自動車アルバルク東京の岡田優介が出場を決めたが、SOMECITY出身の田中もぜひこの舞台に立ってもらいたい。
最後にトップリーグに来た田中はバスケを楽しんでいるのだろうか?
「うーん、勝っていればすごい楽しんだろうなと思いますが、負けが先行している状況なので、楽しむことよりも勝たなければいけないという気持ちの方が強いです。逆に楽しんでバスケをしていれば、もっと良いプレイが出せると思うところもあります。試合前、コーチやラマーには『楽しんでバスケをやろうぜ!』と声をかけてくれており、確かにその通りなんですよね」
試合前のエンターテインメントが素晴らしいつくば。足を運んでいただいたお客様を楽しませるためにも、まずは自ら楽しめ!
文・泉 誠一