オフェンスこそ重たい状況ではあったが、「ディフェンス・リズム・誇り」というチームのスローガンどおり、ディフェンスは目覚ましい進歩を見せてくれた。
「積極的にディフェンスを仕掛けていきはじめてから、勢いに乗れた部分もありました。1Qに離された点差を少し縮められたことは、今日のゲームでの収穫点。だが、全体的に見ると自分たちが目指すバスケからはまだまだかけ離れたところにいます。しっかり修正していかねばいけません」
今シーズン、自分たちのバスケができた試合はあったのだろうか。
「上位チームを相手には、なかなか(自分たちのプレイを)やらせてもらえていません。順位争いをしている広島(ドラゴンフライズ)に対しても1勝1敗でしたし、波に乗り切れていない状況ではあります。時間がかかる課題もたくさん残っていますが、そこに向かって小さなステップを踏めていることは自分たちでも少しずつ感じています。そこが昨シーズンと比べ、変わって来ているところではないかと思います」
選手の意識を変えなければ何も変わらない
2年目を迎えたアマット・ウンバイ選手は、精神的な成長が見て取れた。
「もう少しアマットをうまく使いながら、彼の負担を軽くしてあげるようにしたいです。そのバランスが取れてくれば、全体的にもっとプレイしやすくなってくると思います。余計な負担をかけてしまったり、無理させたり、悪い方に出てしまう時間帯もありますが、昨シーズンよりもグッと少なくなってきています。それはコミュニケーションを取りながらできているからだと思います。昨シーズンほど、アマットにフラストレーションを溜めさせずにプレイさせていると思いますし、それはスタッツ(平均23.8点で12月14日現在リーグNo.1)にも現れており、月間MVP(10月)にもつながっています」
チーム最年長となった伊藤選手から、坂本ジェイ選手やウンバイ選手(12/14の誕生日で25歳)、新加入したブレンダン・レーン選手(24歳)ら若いインサイド陣に向け、「伝えられるところは伝えています。お互いに練習中から切磋琢磨できているのが大きい。練習とゲームでレベルが変わるようなチームも経験しています。今はしっかり練習中にゲームライクなプレッシャーを感じながらお互いに切磋琢磨できており、すごく良い環境だと思っています」と充実した日々を送れている。
「選手の意識を変えなければ何も変わらない」とポックHCは言う。伊藤選手が述べていたように、ここが転換期であり、少しずつだが変わり始めている。その成果は早くも取材した翌日に結果として表れた。97-85で東芝神奈川を破ったのだ。変化を実感し、自信を高めるためには勝利が何よりの特効薬となる。
「若い選手も多いので、結果がついてくるによってチームが一つになっていきます。一生懸命やることでチームとしてまとまれば良いのですが、どうしても結果がついてこないとバラバラになりやすいチームでもあります。細かい部分を積み重ねながら、結果を拾っていくような姿勢でやっていきたいです」
さらなる成長を目指すためには、下位チームに対して取りこぼさないことが重要だ。