── 司令塔という仕事について
「圭さんとは以前は違うチームだったし、代表でも同じポジションを争う相手だったので、多少ライバルという意識もあったかもしれませんが、今はチームが勝つためにいなくてはならない存在だと考えています。ボールさばき、シュート、時折見せるおしゃれなパスにもセンスが光るし、やっぱりうまいなと思いますね。中でも得点につながる(選手)という面ではリーグのトップクラスと言えるんじゃないでしょうか。その圭さんを気持ちよくプレーさせるというか、あの人を生かしたチーム作りをすることは自分の役割の1つだと思っています。僕は別に司令塔というポジションでなくても、仮に自分が2番ポジションで出ていてもコントロールという仕事はできると思っていますし、これは僕個人の考えですが、僕が1番で出て、圭さんが2番で出てもいいし、要はその状況に応じて、僕と圭さん、柏倉さん、また朝山さんが40分の中でそれぞれの役割を果たせればいいわけです。だから、今は司令塔という役割にこだわってはいません」
── トリフォン・ボック・ロペスHCについて
「相手の特徴に対する自分たちの戦力をよく見て、そこを強調していこうという意識がすごく強いコーチだと思います。試合を見て、今どこが足りていないかということもしっかり指摘してくれるコーチでもありますし、加えてヨーロッパのスタイルというのは自分としてもなじみ深いものがありますから、やっていてやりやすいという印象は強いですね」
── 現在の日本バスケットボール界が陥っている苦境について
「こういうふう(FIBAから制裁を受ける)になってしまったことは現実ですから逃げるわけにはいかない。今は自分に何ができるかを考え、できることに取り組んでいくしかないと思っています。自分がバスケットをやっていく上で1番大事なことは日本代表を勝たせることであり、それを目標としてやってきたわけですから、今はどんな状況であろうと、また国際大会で日本が戦える日が来るまでやれることを全力でやるしかありません。
また、同じNBLのつくばロボッツの問題についても情報をチェックしながら、みんなでよく話し合ったりしています。明日は我が身じゃないですけど、この問題についてはみんな敏感に反応しているし、決して他人事ではないという思いは強いですね」
── これからの自分について
「以前(東芝時代)はもっと得点することを意識していました。でも、今は『誰もがやらなくてはいけないのに、誰もができていないこと』を見つけてプレーすることを心がけています。いろいろなチーム状況に対応して、結果につながる仕事をするというのは自分の中のテーマでもあり、今は少しずつですがそれができるようになってきたかなという思いはあります。これからもそのテーマを追求して努力を重ねていくことに変わりはありません」
三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ
NBL
松原貴実