12月5日、6日、NBL交流戦として行われた東芝ブレイブサンダースー三菱電機ダイヤモンドドルフィンズは、75-90で1戦目を落とした三菱電機が2戦目を97-85で勝ち取った。
左手の肘を故障している石崎巧は「強いコンタクトや曲げ方によってまだ痛みがある」と言うものの2戦目の第2Qに出場すると、しょっぱなの3Pから流れを呼び込み逆転勝利に貢献。今季からチームの指揮を執るスペイン出身のトリフォン・ボック・ロペスHCは新戦力・石崎について「シューティングガードもフォワードもできる彼がいることでチームの可能性が広がる」と語り、チーム全体のシステムを変えようとしている過程で「ヨーロッパでプレーした経験を持つ石崎は私がやろうとしているヨーロッパスタイルのプラス要素になる存在」と大きな期待を寄せている。
JBL時代の東芝からドイツに渡り、bjリーグ(島根スサノオマジック)を経て、ドイツ2部リーグ(BVケムニッツ99ers)、1部リーグ(MHPルートヴィヒスブルク)を経験した石崎がこれから日本の舞台でどのような活躍を見せてくれるのか。今季もっとも注目を集めるプレーヤーに現在の心境を聞いた。
── 4年ぶりに帰ってきたNBL(4年前はJBL)について
「今回対戦した東芝もかつて一緒にプレーしたのは宇田(康利)と山下(泰弘)だけですし、新しいチームになったなぁという感じがします。その中で僕もこのリーグがどんな舞台なのかをしっかり見極めて自分のプレーを出していきたいと思っています。
今はリードされている場面だったりとか難しい状況で使われることが多いので、途中から流れを変えるような今までと違った役割を担っているという意識もあります。そういった意味でも今はいろいろ模索しながらやっている部分もありますね。
でも、少しずつ味方の特徴もわかってきたし、このチームの生かし方も少しずつわかってきているので、今までよりさらにいい結果につながる仕事ができるという手ごたえはあります。(五十嵐)圭さんや柏倉(秀徳)さんとはまた違った持ち味でチームをリードしていければと思っています」
── 三菱電機をどう牽引したいか?
「一番大切なのは、“いかに自分たちの良さを生かせるか„ということだと思うんですが、今はまだ日本のスタイルというか、日本で強いチームのスタイルみたいなものを意識し過ぎて通り一辺倒になっているような気がします。もっと違う方向からの試合の動かし方だったり、アドバンテージの造り方だったり、今までとは違う目線でアイデアを出してそれを生かせるようにすること、それをいかにうまくみんなに伝えて、いかにわかってもらえるかが自分の仕事だと思っています。それは決して今やっていることを否定することではなく、バリエーションを増やしていくということですね。アイデアを出して、それについて話し合っていくことでチームのポテンシャルも上がっていくと思うので。一試合ごとに対策をしっかり持って臨んでいけば(三菱電機は)トップレベルのチームになる力はあると思っています」