bjリーグ同様、NBLでも新卒選手がシーズン途中から公式戦に出られるアーリーエントリー制度が導入された。先陣を切り、トヨタ自動車アルバルク東京が3人のルーキーたちを迎えた。歴史に残る第1号アーリーエントリー選手として、2月1日の試合から出場したのは#11宇都直輝(専修大学)。チームと契約したのも3人の中では一番早く、昨年9月には決めていたそうだ。エントリーできる2月1日に合わせ、その2週間前からチームに合流し、トヨタ東京の練習に早々に参加していた宇都。#24田中大貴(東海大学)と#88張本天傑(青山学院大学)は、テストやトヨタの一員として欠かせない(?)運転免許取得のために遅れ、2月4日(火)から練習をスタート。その4日後となる2月8日(土)、都内は積雪20cmを越える大雪に見舞われる中、3人揃ってホームコートデビューを果たした。
まさかのエアボールに「緊張しました」
2月1日にいち早くデビューしていた宇都にとっては、すでに3試合目を終え余裕の表情。
「先週の2試合は緊張しましたが、今日はそんなこともなく自分のやるべきことをやれたかなと思います。少しずつNBLにも慣れて来ています」
張本にこの日の出場機会は与えられなかったが、宇都とともにコートに入った田中。1月に行われたオールジャパンでは、イースタンカンファレンス首位に立つ東芝ブレイブサンダース神奈川を相手に17点を挙げ、堂々たるプレイを見せたばかり。
その一挙手一投足を見逃さないように追いかけていたが、デビュー戦ではまさかのエアボール。
「緊張しました」
すでに日本代表としても活躍し始めており、同世代の中では群を抜いた存在感を示してきた田中ではあるが、新人らしい姿を見せてくれたことで逆にホッとさせられた。
田中のコメントに宇都が乗っかってくる。
「僕もそんな緊張なんてしないと思っていたのですが、めちゃガチガチですごい緊張しました」
確かに宇都は、そんなタイプに見えないが、やはりデビュー戦は緊張するようだ。
残念ながら出番は無かったが、張本は率先してベンチを盛り上げた。
「とりあえずベンチを盛り上げることに専念していました。他の2人は全然乗ってくれなかったですけど…」これにも宇都がすぐさま反応し、「ちょっと一緒に立ってたよね」と同意を求めた先にいる田中は黙って頷く。クールな田中にとっては、立ち上がるだけでも精一杯の盛り上がりだったのだろうと助け船を渡すと、再びコックリと頷いていた。
面倒見が良いトヨタ東京の先輩たち
宇都と張本は同じ中部大第一高校出身であり、田中とともにもこの3人は仲が良い。まさかとは思うが、トヨタ東京入りは仲良し3人で一緒に入ろうと話し合ったのではないか?疑惑の目を向ける。
宇都「結構早い段階で、僕が最初に決まってました」
田中「次に僕が決めて、天傑は迷ってました」
張本「大貴が決めた後、ご飯に行こうって誘ってきた時に、一緒にやろうよと言われました。お前がそういうならば良いよ、みたいな話はしましたね」
田中「それは全くのウソです。相談は受けましたけど、最後は自分の行きたいチームに行くべきだというアドバイスをしました」
宇都「自分の進路は自分で決めるのが一番です!」
田中「ただ、同期がいないよりかは、いた方が良いとは思いました」
張本「俺だって他のチームに行って、同期一人だったら寂しいもん」
最終的には自分の意思で決めたということにしておきつつ、この会話で仲の良さは分かってもらえたことだろう。