Photo & Text Mami Yasui / 安井 麻実
Westの北 卓也HC(東芝ブレイブサンダース神奈川)に駆け寄り、笑顔で談笑する田臥勇太(リンク栃木ブレックス)。レギュラーシーズンの試合ではなかなかお目にかかれない、弾けるような笑顔が印象的だった。
左から、五十嵐 圭(三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋)、竹内譲次(日立サンロッカーズ東京)、桜井良太(レバンガ北海道)。オールスターユニフォームの上は各々のチームウェア。楽しそうに談笑する名古屋・東京・北海道から集まった選手たち。オールスターゲームならではの組み合わせだ。
左から、中東泰斗(三菱電機名古屋)、竹内公輔(広島ドラゴンフライズ)、五十嵐 圭(三菱電機名古屋)。竹内公輔の両サイドに座る三菱電機名古屋の両選手が、同じタイミングでバッシュの紐を締め始めた光景が面白く、思わずシャッターを切った。
3Pコンテストを終えた直後の辻 直人(東芝神奈川)。実力を発揮しきれず、本人も納得いっていない様子。ベンチで待ち受けるWest のチームメイトたちに悔しそうな表情を浮かべたが、その様子はやはり楽しそうでもあった。
ダンクコンテストで華麗に舞う、リンク栃木の熊谷尚也(くまがえ なおや)。ダンクシュートと言えばダイナミックなイメージが先行するが、彼のダンクシュートはしなやかで、美しささえ感じる。コンテストでは惜しくもアイラ・ブラウン(日立東京)に敗れたが、このダンクは会場を大いに湧かせた。
試合最中の金丸晃輔(アイシンシーホース三河)。いつもよりも汗が輝いて見えるのは、楽しさからくるこの笑顔の力だろうか。
左から、辻 (東芝神奈川)、富樫勇樹(千葉ジェッツ)。プレー中に見られるこんな笑顔も、オールスターゲームならでは。EastとWestに分かれてはいるが、その2チームさえ「バスケットボールを愛する仲間」に見えた。
左から、田中大貴(トヨタ自動車アルバルク東京)、古川孝敏(リンク栃木)、湊谷安玲久司朱(サイバーダインつくばロボッツ)、富樫勇樹(千葉)。古川のシュートで同点に追いつき、オーバータイムへ。古川のナイスシュートに、沸き立つEastベンチ陣。
左から、川村卓也(三菱電機名古屋)、大きな背中の竹内公輔(広島)、篠山竜青(東芝神奈川)。点を入れられてはまた入れ返すという攻防が続く中、ここぞ! という大切な局面で3Pシュートを決め、ガッツポーズの竹内公輔と、それを喜ぶWestベンチ陣。それはもう大はしゃぎで、会場は笑いに包まれた。
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今回、私にとって初めてとなるオールスターゲーム戦の撮影だった。選手たちはとにかく楽しそうで、撮影しているこちらの顔もつい綻びる。終始楽しそうにプレーをする各チームの代表選手たちだったが、勝負が決まるか決まらないかの局面になると、笑顔でプレーをしていたかと思えば必死になってボールを追い、1本のシュートやファウルに一喜一憂。 “勝つこと” にこだわり始める。その姿はまるで子どものよう。それも、「極めつきのバスケットボール好きな」子どもたちだ。
長いシーズン、日々のトレーニングはもちろん、精神的にもシビアな日々を過ごす選手たち。根本にある“バスケットボールが好き”という気持ちだけで試合に勝つことができないのがプロの世界だ。そんな彼らが根本に還って、純粋にバスケットボールを楽しむ姿は、会場にいた全員の心を打ったに違いない。
彼らは、「プロバスケットボール選手」という以前に『個人』であり、その『個人』は「とてつもなくバスケットボールが好き」なのだ。オールスターゲームではそんな、“選手である以前の人間性”を垣間みることができたような気がする。
シーズン後半戦に突入し、どのチームにとっても負けられない戦いが続く。彼らの「想い」にフィーチャーしてこれからも撮影していきたいと、改めて強く感じさせられた、想い深い1日となった。“この日の選手たちの笑顔が、次なる新リーグ『B.LEAGUE』を、明るく照らす光になるに違いない”そんな確信が芽生えた。