2016年に誕生したBリーグは、長期的育成を担うユースチームの設置をライセンス条件に盛り込んだ。翌2017年よりBリーグ U15 チャンピオンシップを初開催。当時15歳以下のBユース1期生たちが今、第76回全日本大学バスケットボール選手権大会(インカレ)の舞台で日本一を争っている。
「人数の少ない寄せ集めチームとして大会に出た感じでした」
ディフェンディングチャンピオンの白鷗大学4年生、#50 森山陽向はU15西宮ストークス(現・神戸ストークス)出身。188cmと当時から大きかったこともあり、「友だちに誘われてBユースのことを知り、人数の少ない寄せ集めチームとして大会に出た感じでした」と急ピッチで準備した状況を振り返ってくれた。
「クラブのコーチから指導を受け、それがトップチームと同じかと言えば、もう少しランクダウンして教えてくれていました。そのため、具体的にトップチームのバスケスタイルを当時はそこまで感じることは少なかったです」
部活動との違いについて、森山自身は「さほど大差はなかったです」とすんなり溶け込むことができた。「そこまで戦術などを浸透させることなく1on1が中心でした」という内容は、慌ただしく時間もなかった初年度を言い表している。「今はチームとしての考え方が浸透しているユースもたくさんあると思います」と続け、森山ら1期生が歯車を回したことで今がある。
最初のチャンピオンシップを制したのは、Fイーグルス名古屋U15だった。専修大学 #7 河合海輝(仙台大附明成高校出身)は優勝メンバーの一人であり、インカレ準々決勝で二人はマッチアップしていた。当時、河合も出場していたことを知っていたかと問えば、「高校時代や今の印象の方が強いので、よくは覚えてないです」と一度だけの出場では難しい。その後、森山は秋田の名門・能代工業高校(現・能代科学技術高校)へ進み、全国大会の舞台に立ってきた。しかし、白鷗大学での4年間は順風満帆とはいかなかった。
「これまでの3年間はベンチに入れなかった時期の方が多く、苦しい思いをしました。でも、練習中から手を抜かずに、しっかりやれることをやり続けたことで、舞い込んできたチャンスをつかめたと感じています。それによって今年のインカレのベンチに入ることができ、セカンドメンバーとしてつなぐ役割で試合に出させてもらっています。このように実が結んだのも普段の練習をがんばり続けたからであり、そこが大事だと思います」