「世界に通用する人材輩出というチーム理念に対し、B2にいる現状では残念ながら日本代表に入れるような選手が今はいません。しかし、ユース世代において、人口の多い東京は人材の宝庫です。23区で活動しているのも東京Zだけであり、隣県からも集まりやすい環境の特性を生かせます。ユースから日本代表選手を輩出していくことを思い描いており、そのための情報集めは僕が使命を帯びてやってきました。その出口として、トップチームが日本代表により近い位置に上がっていかなければいけないとも思っています」
ギリシャやイタリアの育成環境を目の当たりにし、「U18が必要になります。U18世代の育成方法やトップチームとの連携の仕方が、世界のクラブチームでは確立されていました」とさらなるビジョンがある。来春よりU18チームを持つことがB1のクラブライセンスとして追加され、B1への昇格を目指す東京Zにも近い将来は必須となる。現状は、ケイン・ロバーツがその架け橋として期待される。
「18歳の彼がどういうコースで代表に行くかはまだ未知数ですが、今回のように東京Z経由でNCAAへ行き、そこから代表入りも狙える選手です。もちろん将来的には東京Zに戻って来て欲しい選手であり、それまでにはB1に上がっていたいです」
トップチームの現状は、B2東地区7位、6連敗中である。U15チームの後に登場した山形ワイヴァンズとの2戦目は、63-89で大敗を喫した。コート上の選手たちは、負の連鎖を打破すべくハッスルしていたが、気負いすぎているのか、チームとして噛み合っていない。東頭ヘッドコーチも頭を悩ましている。
「成績が伴わなかったり、接戦を勝ち切らせてあげられなかったりしたことで、選手たちは迷うことが多くなっています。失敗したときにミスを取り返そうとして、やらなくて良いことをしてしまっています。それによって、チグハグになっています。悪いサイクルに入ってしまっており、なんとか打開しなければならないです。指示に対して遂行しようと選手たちはがんばってくれていますし、その姿勢は見せてくれています。ここ1本決めておけば、この1勝を取っていれば流れは変えられたのに、そこを勝ち切らせてあげられなかったところに原因があります」
B1はバイウィークにより再開は12月2日だが、B2は今週末もゲームが待っている。次戦は現在東地区3位、3連勝中の仙台89ERSを迎え、東京Zのホームゲームが続く。東頭ヘッドコーチは「ベテランが堅実的にゲームを組み立てながら、若手は思いっきりプレーして欲しい」とイメージしている。若手選手たちは昨シーズンから東京Zで積み上げてきたものを発揮し、B1経験ある新戦力との歯車さえ噛み合えば、きっと上向くはずだ。
アースフレンズ東京Z・U15チーム 岩井貞憲ヘッドコーチ
可能性しかないU15世代へ向け、オールラウンドで取り組む成長の最大化
前編 https://bbspirits.com/bleague/c20111702/
後編 https://bbspirits.com/bleague/c20111801/
応用編 https://bbspirits.com/bleague/c20112401/
文・写真 泉誠一