近年のWリーグでは、男子トップリーグでのプレー経験あるビッグマンがコーチになる傾向がある。現女子日本代表のヘッドコーチであり、元JX-ENEOSサンフラワーズのトム・ホーバス(203cm/トヨタ自動車、東芝)をはじめ、アイシンAWウィングスの小川忠晴(194cm/いすゞ自動車、新潟アルビレックスBB、大分ヒートデビルズ)、かつては元日本代表センターの古田悟(199cm/三菱電機、トヨタ自動車)が東京羽田ヴィッキーズで、2m前後の大男たちが指揮を執ってきた。
昨シーズン限りで引退した桜木ジェイアール(203cm/シーホース三河)が、アイシンAWのテクニカルアドバイザーに就任。「新しい未来が始まる!ウィングスファミリーの一員として、戦えることを非常に楽しみにしています」と抱負を語る。今シーズンのアイシンAWは、新ヘッドコーチの小川とのベンチ・ツインタワーにも注目したい。
8月3日、シャンソン化粧品シャンソンVマジックのアシスタントコーチ就任が発表されたのが、鵜澤潤(196cm/新潟アルビレックスBB)だ。学生時代から指導者志望であり、教員免許を持つ鵜澤だが、30歳を越えた頃から「やるならばトップリーグ」という意欲を持っていた。引退表明後、コーチへの道を模索していたところ、「選手経験があってインサイドを教えられるコーチ」をシャンソンが募集している情報を耳にする。「これは俺しかいないな」と志願し、アシスタントコーチとして迎えられた。
生え抜きの本川紗奈生(デンソーアイリス)と谷村里佳(日立ハイテククーガーズ)が移籍した今シーズンのシャンソンは、平均22歳と若い。「だからこそ、おもしろみがある」と鵜澤は意欲を見せた。李玉慈(イ・オクチャ)ヘッドコーチは、「これまで学んできた経験を伝えて欲しい」と期待を寄せる。すでにコーチングははじまっており、「ローポストでのボールのもらい方などを教えていますが、新しいことを学べるから選手たちも積極的に取り組んでくれるので、僕としても楽しいです」と充実した日々を送っている。その一方で、「人を教えることは簡単ではないです。もし、間違えたことを教えてそれを身につけてしまったら、大変なことになってしまいますから、自分自身がちゃんと勉強しないといけないです」と気を引き締め、コーチとして新たなキャリアをスタートさせた。