我が強くゲームを荒らす…僕もそういうタイプでした
琉球戦の敗因として、「弱いメンタル」を挙げていたのは平岡富士貴HC。ビハインドが続く苦しい試合中、声をかけ、発破をかけていたのは佐藤キャプテンであり、最年長の藤原だ。プレイで引っ張る池田にも同じようなリーダーシップがもう少しあればチームが変わるのではないか、と質問を投げた。
「プロ選手であるがゆえに、正直言って我が強い選手もいます。そのためにゲームを荒らす場面もあり、僕も元々はそういうタイプでした」
そう話す池田は、これまでの経験を生かしたもう一つの役割があることを話し始める。
「でも、荒らすことでチームが崩れることも身をもって経験しました。そうしないためにも、誰かしらが犠牲となりガマンしてプレイしなければならず、それが一番できるようでできないことです。それが分かった上で選手たちを立てるところは立てながら、支える役割を担うことでチームのために役立つのかな、というのが今までの経験で分かったことです」
温厚そうな表情とは裏腹に、数年前まではずっとイライラしていたそうだ。しかし、自分を振り返り、落ち着いて周りを見回したことでやるべきことが定まった。そして今では、ストレスからも解放された。
「メンタル面は自分としては、少しは成長したのかなと思います。周りにどう見られてもそれはどうでも良いこと。チームを上向かせることが仕事であり、それが正解なんです」
陸川章HC(東海大学)からもらったパンチで団結を!
9シーズン目となるbjリーグにおいて、到達していないリーグ制覇の瞬間を新潟県民は待ち焦がれている。残り試合は4試合しか無く、プレイオフも未だ確定していない。しかし、ブースターの期待に応えるためにもやらねばならない。
「試合数は少ないですけど、目標をしっかりと認識し、みんなが同じ方向に向くことが大事になります。良いプレイが続けられずに下を向きたくなるところではありますが、それでも引っ張って行くことが大事。これからはチームとしての団結力がものすごく大事であり、必要です。誰かが置いてけぼりになりそうならば引っ張って行く、イラついていれば押さえる、そういうまとまりを意識して1試合1試合を戦っていきたいです」
団結力を高めることに関しては、熱い陸川章HCの下で4年間を過ごした東海大学出身の池田にとっては、すでに体に染みついているはずではないか。
「もちろん陸さんに学んで来たことです。よく陸さんは、パンチを例えてこんな話をしてくれました。パンチをする時に指を5本開いたまま殴れば突き指してしまう。1本や2本でも開いていれば、その指を痛めてしまう。だからこそ、パンチする時は5本の指をしっかり握り、まとまって出さなければならない。それはバスケのコートに立つ5人も同じだということは4年間ずっと言われてきました。1本、2本が出てしまうのが凹んだりイラついている選手なので、そこをしっかりまとめていきたいと思ってますし、そのイメージはできています。練習中から選手同士のコミュニケーションはしっかり取れていますので、あとは結果を出すだけですね」
しっかりとプレイオフ圏内を確保し、優勝争いができる権利を勝ち獲らねばならない状況にある。現時点では、残り試合が2試合少ない新潟の立場はビハインドとも言える。だからこそ次の青森戦は絶対に負けられない。同時に、プレイオフ ファーストラウンドのホームゲーム開催となる4位も狙うことだって可能だ。二兎を追う者は一兎をも得ずとは言うが、ガツガツ行くのがプロってもんだろう。
4月12日(土)18:00 新潟 vs 青森@鳥屋野総合体育館
4月13日(日)14:00 新潟 vs 青森@鳥屋野総合体育館
4月26日(土)18:00 新潟 vs 埼玉@所沢市民体育館
4月27日(日)14:00 新潟 vs 埼玉@所沢市民体育館
新潟アルビレックスBB
bjリーグ
泉誠一