アウェイでの横浜戦ではあるが、ベンチ裏を埋める赤い軍団は心強い。そして、ブースターと一緒に有明コロシアムを目指す。
「昨シーズンは本当に良いところまで行ったのに、最後の最後で(カンファレンスセミファイナルで横浜に敗れ)有明まで届きませんでした。今シーズンはみんながさらに上に行くことを期待している思います。チーム目標は有明に行くことではなく、優勝。有明に行くこと自体は通過点。これからも勝って行けるようにがんばるだけです」
水戸のこのコメントこそ、ナッシュHCの教えがチームに浸透している証である。
今週末は、水戸の地元・南砺市にて大阪エヴェッサを迎えて行うホームゲーム。先週末に秋田はプレイオフ進出を決めた。1ゲーム差で追う富山も今週末に決まる可能性は高い。開幕を迎えた時、勝利した時、プレイオフを決めた時……と、ブースターがスタンディングオベーションで称える区切りの瞬間は目の前まで来ている。
3月15日(土)18:00 富山 vs 大阪@南砺市福野体育館
3月16日(日)13:00 富山 vs 大阪@南砺市福野体育館
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歪な2リーグ制が夢を失わせている──
最後の質問を向けると、水戸は驚いた顔を見せた。
「え!? 僕の頭には全然ないです。グラウジーズが強くなれば良いと思ってプレイしているだけなので、そこは全く意識していなかったです」
bjリーグにも良い選手はいる。
NBL選手との直接対決がないことで比較できず、評価されない現状がある。踏まえて、これまでの指揮官の多くは旧JBLから選出されてきた。近年でも、トーマス・ウィスマンHC然り、鈴木貴美一HCはアイシン三河との兼任だった。
日本代表を目指しているか?
実に簡単な質問であり、バスケットボール選手であれば誰もが目指す目標だと思っていた。しかし、歪な2リーグ制はこの当たり前の目標さえ霧に包んでしまっている。そう感じずにはいられなかった。
残念ながらどんな選手にもピークがあり、寿命がある。一日も早くリーグがどんな形であれ交流を持ち、直接対決できることで、選手にとっての新しいモチベーションや成長につながるはずだ。そしてもう一度、バスケットボール選手ならば抱かねばならない日本代表の夢を見て欲しい。それこそが、日本代表の底上げになると信じている。
文 泉誠一