「彼を発見できたのはラッキーでした」
浜松・東三河フェニックスの東野智弥ヘッドコーチが話す“彼”とは、今シーズンからやって来た#15アキ・チェンバースを指す。アメリカで生まれ育ったチェンバースだが、日本人の母を持ち、日本のパスポートを取得。代表に1人しか選出されない帰化選手ではなく、高橋マイケル(トヨタ東京)や市岡ショーン(アイシン三河)と同じように、れっきとした日本人としてロスター争いができる。東野ヘッドコーチが、毎年のようにアメリカに渡りネットワークを築いて行った結果、巡り合わせるようにチェンバースを発見できた。
「自分自身にプレッシャーをかける真面目な選手。粘りがあるし、最後に伸びるプレイは日本人が持っていない身体能力です。将来的に2020年を考えながらレベルアップさせていきたい」
期待を寄せる東野ヘッドコーチだが、まだまだチェンバースのキャリアは浅い。アメリカの大学とは言え、NCAAとは違った小規模なリーグ構成となるNAIA。しかもその2部に属する出身校は、カリフォルニア大学マーセド校。平均20得点、8リバウンドの活躍を残したが、まだまだ未知数である。
しかし、アメリカで育ったことで日本人が持ち得ていない「粘り強いドライブがある」と東野ヘッドコーチからの評価も、期待も高い。bjリーグ前半戦を終えたスタッツは、10.1得点、4.7リバウンド。
それでは、チェンバースに語ってもらおう。
── 学生時代からプロ選手になる夢を見ていた?
もちろんその夢はありましたが、もっと先の夢だと思っていました。今はプロとして一人前になれるようにがんばっています。
── bjリーグの存在を知ったのはいつ頃?
大学に入る前は知りませんでしたが、大学に入りプロを意識し、日本のバスケ事情を調べ始めたことでbjリーグの存在を知りました。
── お母さんが日本人ということだがこれまで日本に来たことは?
親がアメリカでの仕事が忙しいことと日本に親戚もいないので、なかなか来るチャンスは無かったです。
── プロ選手として日本に帰ってくるという夢は持っていたのか?
大学に入って、バスケで生活したいと思っていた時から日本も選択肢として考えていました。
── 日本代表も視野に入ってるのか?
もちろん日本代表に入ることが夢ですし、次のステップです。