河合HCがチームを作る上での理念として、「選手の長所を生かしたいと考えている」。選手の良さを引き出した結果、今野はこれまで以上の活躍を見せているのだ。
── 河合HCはアウトサイドに関しては予想以上と言っていたが?
今野「あれ、昨シーズンから打っていたんですけどね。もともと自分では打てるとは思っていましたが、いろんな考えがあってこれまでは抑え気味でした」
もともとは点取り屋だった学生時代
今野のグラスルーツを紐解いて行くと、点取り屋であったことが分かる。大阪学院大学時代には、関西学生バスケットボール 1部リーグにおいて、得点ランキングは平均22.4点で3位(※ちなみに1位は元パナソニックトライアンズの濱田卓実。現在SOMECITY OSAKAにてTAKOYAKI BOYZのメンバーとして活躍中)。4年時にはインカレにも出場。敗れはしたが、2回戦の日本体育大学戦では38点を挙げている。
今野「もともと得点を獲るタイプだったんです。でも、大阪でプレイするようになってから自分のスタイルがブレていたんでしょうね。昨シーズンに、ようやく自分のプレイが見つかりました。6年かかりましたけどね。何とか生き残って来れました」
── 移籍したことでの大きな変化とは?
今野「プレイタイムが伸びたこともあり、いろんな勉強ができているので、もっと良くなって行くと思っています。でも、ディフェンスはまだまだです。もっと頭を使っていかないとダメですね。ボールの無いところの動きや細かいところはやっぱりまだまだできていないことも多く、ちょっとチームに迷惑をかけているなと思っています」
── 大阪と信州の違いはあるか?
今野「あえて厳しい竜児さんの元でやることを決めましたし、今はバスケットに集中できています。と言って大阪で集中していなかったわけではないですが、以前よりも練習量も増えています。寒い環境の中ではありますが、やればやるだけ自信になりますし、このような環境に身をおけて良かったなと思いますね」
11月17日時点で8勝4敗の信州は、まずまず好調なスタートを切った印象を受ける。しかし今野は、「周りからもそう言われますが、自分の中では普通であり、これまでのシーズンとあまり変わらないです」と言っていた。ならば、これから進んで行くレギュラーシーズンを戦い抜くことにより、チームとしても、今野自身もさらに上向きになるはずだ。
今野「もちろんその自信はあります」
文・泉 誠一