統一プロリーグ問題は結論に至らないままJBA深津会長が辞任し、FIBAからの何らかの制裁が下ることが免れない現状、様々な立場にいる当事者たちはどう感じているのでしょうか?
リーグ統合の是非を含め、どのような環境を欲しているのか、選手やスタッフに意見を求めてみましたが、正式な情報は伝えられていないようです。臨時理事会後の説明会では、今後、然るべき時に選手に伝えねばならないと、丸尾充会長代行は話していました。
統一プロリーグ問題に関してはデリケートな問題であり、もしかするとチームから口止めされていたかもしれません。しかし、先週末に行われた各リーグの試合後、現場にいる方々が口を開いてくれました。横に広報がいても、しっかりと自分の意見を話してくれた選手たち。1対1で伺った選手に対しては、本当に出して大丈夫かと念を押したところ、おかしなことは言っていない、と真摯に意見を述べてくれました。現場の意見はどれも正論です。
竹内譲次選手(日立サンロッカーズ東京/日本代表)
── FIBAからの制裁が免れない状況になってしまいましたが?
選手には関与できない部分があり、選手からアプローチしろと言われても難しい部分でもあります。もちろん深津会長はすごくご尽力されたと思いますけど、それでもうまくまとまらなかったことであり、なかなか選手や一般の人達が思っているよりも難しい部分があるのだと思います。
── どのようなリーグ環境や、どういう方向に向かって欲しいと思っていますか?
僕にも子どもがいるので、やっぱり子どもたちの将来のことを一番に考えてあげたいです。2つのリーグがあることで、例えば野球少年やサッカー少年はプロ野球選手になる、Jリーガーになるという明確な目標を立てることができます。でも今、バスケをしている若い子たちにとっては、NBLの選手になる、bjリーグの選手になる、そのどっちかを選ぶことになってしまいます。レベルが高く、待遇の良いリーグを目指すとは思いますが、そのまとまりが無い状態が、気持ちの問題かもしれませんが寂しいところがあります。プロバスケ選手になりたい子どもたちが、2つのリーグのどっちかを選ぶというのは寂しいですよね。
── 同じコートで対戦していないので、どちらの方がレベルが高いかを比べることもできない現状があります。
そうなんです。でも、ファンはどっちが強いという話に絶対なってしまうじゃないですか。もちろん僕はNBLの選手なので、このリーグの方が上だというプライドはありますが、そこは難しい。高いレベルのバスケを見たいと思う子どもたちが、どっちの試合を見に行けば良いか迷ってしまいます。演出も大事ですが、それ以上に質の高いプレイを見せたいです。
── FIBAからの制裁が下されることで、日本代表活動に影響が及ぶ点については?
選手が一枚岩になれば変えられるかと言えば、可能性はゼロではないでしょうが、難しい部分もあります。加盟しているチームがうまく話し合って、全員がプラスになることは難しいとは思いますが、そのプラスを目指しつつ厳しい条件を強いられるところも理解しながら歩み寄ることが絶対に必要だと思います。
── このような状況になってもリーグ戦は続きますし、選手としてコートで表現しなければなりません。
僕はバスケを職業として家族を養っているわけですから、やるべきことにブレはありません。子どものお手本になるようなプレイをし続けるだけです。