「僕としてはまずコーチが求めてることをしっかり遂行するというのがあったんですけど、個人のパフォーマンスどうこうというよりも、チームがどういうバスケットをするか。チームは良いときもありましたし、悪いときもあったんですけど、勝ち負けがある中でも次につながる試合をできるように声かけもしてますし、最後までやりきるとか諦めないという部分をシーズンを通して意識できるように、コミュニケーションを取ることを心がけたシーズンでした。今の成績だと2割ちょっとしか勝ててない中で、そういうシーズンも自分としては一つの経験だと思ってて、負けが続いてもチームをどうやって良い方向にもっていけるかというのも自分は勉強だと思ってます。そういう意味では良いシーズンを過ごしてるのかなと思いますね。
プレーオフ(チャンピオンシップ)がない中でチームをどうしていくかという竜三さんの記事を読んで、カテゴリーは違いますけどこのチームにも言えることだなと思ってすごく共感できました。自分としてチームをどうしていきたいか、コーチがどうしていきたいかをすり合わせて、オンコートでもオフコートでも今より良いチームにしていけるように、残り1カ月を過ごしていきたいと思います。プレーでも、他の部分でも越谷では良い経験ができました」

榎田にとってこの第23節は、この記事の取材対応以外にも過去を振り返る機会になった。長崎で2シーズン切磋琢磨した近藤崚太が対戦相手にいたからだ。近藤はGAME1でベンチ登録を外れたが、GAME2には出場。8得点を挙げたほか、ディフェンスで榎田をマークした時間帯もあった。
余談だが、榎田が筆者の取材を受けている間に山口の控え室のエリアを訪ね、その取材対応を少し離れて見ていた近藤が、榎田が近藤の年齢に触れたところですかさず「やかましいやかましい(笑)」とツッコミを入れていたことも付記しておこう。2シーズンの間に培われた絆は、今なお強い。
「崚太さんは昨日コートに立ってなかったんですけど、今日は何かしてくるだろうなというのを感じてて、マッチアップできたのは個人としては嬉しかったです。崚太さんは今年30歳なので、自分のやるべきことをしっかりやる。そこでやられた部分があって、めちゃくちゃ悔しいです。またこういう機会があったらやり返せるように頑張ります」

ついでにもう一つ、過去を思い出しておきたい。筆者が前回榎田について記事を執筆したのも、3年前のちょうどこの時期のことだった。折しも、今年と同様にワールドベースボールクラシック(WBC)で日本中が沸いていたことから、記事でも日本名が同姓のラーズ・ヌートバーに触れた。今大会はそのヌートバーはメンバー入りしていないものの、「WBCは見てます」という榎田は「大谷(翔平)選手を筆頭にメジャー組の力はやっぱりすごい。僕らにとっても力になるし、勇気を与えられるので、僕らも山口、宇部の子どもたちに勇気を与える、元気を分けてあげることができたらと思います」と意識を高めた。本人の言う通り、来シーズンのことはまだわからないが、プロとして着実に階段を上っている榎田は、プレーもメンタリティーもさらに向上していくだろう。
文・写真 吉川哲彦











