「全部が全部本人の責任ではないんですけど、池田がターンオーバーを起こした後にトランジションディフェンスへの切り替えができないのは、もともと足りない部分。たぶん今まではそういうことをやってきてなくて、ここに来て僕に言われてそれをやるようになったにせよ、まだ足りない。オフェンスがダメだとディフェンスにも引きずってしまうのは本人も悩んでましたけど、今はそういう時期かなと思うんです。誰にでも起こり得る。経験値がそんなに高くないんで、B1の選手と対峙したときにそういう足りない部分がいっぱい出てきて、本人も『自分の良さは何なんだろう』と迷いだしてる」
そこで救いの手を差し伸べるのがコーチの仕事であることを大前提とした上で、安齋HCは「悩み苦しんでもがいて、そこから抜けだそうと思ったら自分の力で這い上がるしかない」と池田の自覚を促し、池田自身も「厳しくしてもらえるのはありがたいし、結局最後は自分次第というのは竜三さんにも言われてます」と意識を強くしているところだ。
「自分のプレーがチームの勝敗に直結すること、一つのオフェンス、一つのディフェンスの重要性をもっと理解して、正しい判断やプレーができるようにならないといけない。期待を感じていつつも、それに応えたい気持ちが強いです。頑張りますっていう、それしかないですね。もっともっと練習しないと」

池田が一歩を踏み出すためにもがいている中、クラブは先んじて大きな一歩を刻んだ。さいたまスーパーアリーナでのホームゲーム開催だ。2000年の開場以来、世界選手権(現在のワールドカップ)やbjリーグオールスター、天皇杯・皇后杯などの開催実績があり、B3リーグの埼玉ブロンコスが収容人員4000人程度のコミュニティアリーナでホームゲームを開催したこともあったが、Bリーグクラブの単独興行としては初開催。観客動員は12月27・28日ともに2万人を超え、昨シーズンにレバンガ北海道が作ったクラブ主管試合の最多入場者数記録を塗り替えた。
この記録更新は、対戦相手が宇都宮ブレックスだったからこそなし得たことでもある。電車1本で乗り込める地理的条件に加え、アウェーでも客席の半分を黄色に染め尽くすブレックスネイションの気質、越谷に安齋HCを筆頭とした宇都宮OBの存在があったことなどが、この興行を成功に導いた大きな要因だ。
そして、宇都宮は昨シーズン王者にして、今シーズンも東地区首位を走る難敵。そんな相手に対し、池田は果敢に立ち向かう本来の姿を見せた。それも、オフェンスではなくディフェンスからだ。マッチアップしたのは比江島慎やDJ・ニュービル、新進気鋭の小川敦也といった錚々たる面々。リーグを代表するスターに決して怯むことなく、ディフェンスをベースにして試合に臨むことができたのがこの宇都宮とのGAME2だった。











