「モーディは特別な存在です。自分に何回もチャンスを与えてくれて、本当に彼のことを愛していますし、それと同時にヤバい男です(笑)。すごく情熱的な人なので、『Hey, JB! JB!』と呼ばれてはいろいろ言われて大変なこともたまにあるんですが、彼のスタンダードが高いからこそ言ってくれてるのだと思うので、それはありがたいことです」
昨シーズンのチームメートだったマーク・スミスも突出した得点能力の持ち主だったが、ジョンソンの実績はそれを上回る。ブラントリー自身もNBAでプレーした経験があるとはいえ、レベルの高い選手と切磋琢磨できる環境が、今の長崎にはある。

そしてそれは、何もチーム内に限ったことではない。ここ数年のBリーグは、NBAでプレーしたことのある選手が増加の一途をたどる。今シーズンの新加入選手だけでもジョンソンの他にジャリル・オカフォー(レバンガ北海道)やジャレット・カルバー(仙台89ERS)、ナシール・リトル(千葉ジェッツ)など多士済々。この日の相手、SR渋谷にもディディ・ロウザダ、ドンテ・グランタムというNBA経験者が在籍している。海外でもその評価が右肩上がりに高まってきているというBリーグでプレーすることに、ブラントリーも喜びを見出している。
「このオフシーズンの間にモーディHCと(伊藤)拓摩GMが良いリクルートをしてくれて、スタンリーだけでなくアキルという素晴らしい選手を獲ってきてくれた。もちろん自分たちは練習からしっかり戦っていますし、お互いを高めてより良い選手にすることができる存在です。
Bリーグのレベルは明らかに上がっています。ヴェルカだけでもスタンリーとアキルがいて、他のチームにも素晴らしい外国籍選手がどんどん入ってきていますが、彼らの中でも日本のレベルの高さはよく話題になってるんです。ここで戦えることは嬉しいです」
先に挙げたブラントリーによるマオールHC評の中で、「ヤバい男」という部分については、ブラントリーは日本語で表現。「日本語も頑張って勉強している」というブラントリーは「I love Japan, and Nagasaki is home」とも語り、オフコートでもすっかり日本と長崎の地が気に入ったようだ。

取材の最後に今シーズンの手応えを問うと、筆者がレコーダー代わりに手にしていたスマートフォンに顔を近づけ、「チャンピオンシップ! お願いします!」と力強く宣言。これはCS進出という意味ではなく、通訳として同席した弓波英人アシスタントコーチの確認に対して「最後の最後まで行きます」と付け加えてくれた。マオールHCは「Bリーグはまだ、彼の一部しか知らない」と証言。ファン・ブースターも含めたリーグ全体が、ブラントリーの持つ全ての力を知った時、長崎は頂点に立っているかもしれない。
文 吉川哲彦
写真 B.LEAGUE











