B1第4節、各クラブ7試合を終えた時点で、西地区は長崎ヴェルカが6勝1敗で首位と好調だ。NBAでドラフト1巡目8位指名を受け、通算449試合に出場したスタンリー・ジョンソンが開幕から得点を量産しているのが要因の一つ。アウェーでサンロッカーズ渋谷と対戦した第4節も、GAME2では25得点と貫禄の数字を残している。
ただ、GAME1に関しては3ポイントが7本中1本成功とシュートタッチに苦しんだ。そのジョンソンを含む5人が2ケタ得点を挙げた中で、チームハイはジャレル・ブラントリーの23得点。そのうち14点を第1クォーターだけで叩き出し、29-14で先手を取る原動力となった。このリードが最後まで効き、長崎は85-76で先勝している。

「渋谷という素晴らしいチームに対して、自分たちの力を出しきることができた」とこの試合を振り返ったブラントリーは、6リバウンド5アシスト3スティールとオールラウンドな働きを披露。チームのみならず、自身も持てる力を発揮してみせた。
長崎の大きな特徴の一つがポジションレスのバスケットスタイルだ。インサイドプレーヤーと呼べるのはアキル・ミッチェルと川真田紘也の2人しかいないため、5アウトのラインアップの時間帯もあれば、ポイントガードを置かず、195センチの山口颯斗や196センチの馬場雄大が最も小さいというラインアップを組む時間帯も長い。そんなときに司令塔の役割を務めるのがブラントリー。オフェンスではボールキャリーからポストアップまで高いレベルでこなし、ディフェンスでは内外を守ることができるブラントリーの存在が、長崎特有のバスケットスタイルを成立させている最大の要因と言ってもいいだろう。
「自分の役割は、スコアもその一つですが、どんな方法でもこのチームを勝利に導くこと。まずはコーチの言うことをしっかり聞いて、コーチが自分に何を求めているかが大事です。1番ポジションも含めて、いろんなポジションと役割を与えてくれているコーチには本当に感謝しています。だからこそ、コーチの求めることを体現していきたいと思っています」
長崎を率いて2シーズン目のモーディ・マオールヘッドコーチは、前所属であるオーストラリア・NBLのニュージーランド・ブレイカーズでもブラントリーと共闘した間柄だ。長崎にはブラントリーが1年早くジョインしているが、マオールHCは「JB(ブラントリー)がいなかったら、たぶん自分はヴェルカに来ていない」と、ブラントリーへの信頼を表す。

「JBは太陽のような存在で、彼がいるだけで場が明るくなりますし、常にエナジーを出しきって戦ってくれる選手。大学でも、ブレイカーズでも、そしてヴェルカでも、彼はどんな場所であっても成長し続けています」
そう語るマオールHCに対し、ブラントリーもまた感謝の気持ちが強い。決して妥協することなく、理想のバスケットを追求し続けるマオールHCは、ときに大声で選手を叱咤することもあるが、マオールHCの人柄を誰よりも理解しているブラントリーは、自身の成長のためにその存在を必要としている。











