一昨シーズン、あと1点に泣いてプレーオフ初進出を逃した立川ダイス。それから一転、昨シーズンは17クラブ中14位に低迷し、今シーズンは再起をかけて戦うことになるが、開幕節を危なげなく連勝した後、第2節は東京八王子ビートレインズの勢いに屈して連敗。2節続けてホームで戦う第3節は、相手が昨シーズンのプレーオフ進出クラブである岐阜スゥープスということもあり、今シーズンの行方を占う試金石とも言える戦いだった。
10月11日のGAME1は、第4クォーターに34得点と爆発して勝利。そしてGAME2、9点ビハインドで折り返した立川は、第3クォーター序盤にその差を14点まで広げられてしまうが、その後はリバウンドや相手のターンオーバーから走る展開が増え、抜きつ抜かれつのシーソーゲームに移行。第4クォーター終盤は立川が試合を優位に進め、粘る岐阜を89-85で振りきって連勝となった。
昨シーズンまで越谷アルファーズでプレーしたLJ・ピークは6本中5本の3ポイントをヒットさせるなど、貫禄の28得点を挙げて勝利に貢献したが、得点といえばアンドリュー・フィッツジェラルドの存在を無視してはならない。どのシーズンも得点ランキング上位に顔を出し、1試合58得点というB2リーグ記録の持ち主でもあるフィッツジェラルドは、この試合もピークを上回る31得点を叩き出している。そのフィッツジェラルドに、試合を振り返ってもらった。
「両日とも、とても良い試合だったと思います。お互いのチームが激しく競争して、勝ちたい気持ちを争うような試合でしたが、ほんの小さなところで差が生まれて、そこを自分たちが突き詰めることができて勝てたのかなと思います。バスケットの試合は40分あって、前半・後半と分けても長い試合ではあるので、9点ビハインドでも全員でまとまって戦い続けようということはハーフタイムに話していました。後半が始まって点差が開きましたが、とにかく戦い続けるというマインドセットを全員で持つことができたのが逆転につながったと思います」
前半9得点だったフィッツジェラルドは、第3クォーターに7得点を挙げて追撃の一助を担うと、第4クォーターは10分間フル出場で15得点。その得点力に頼りきってしまうとチームオフェンスが成立しなくなるため、間橋健生ヘッドコーチは「彼にボールを預ければ良いというわけではない」ということを前提とした上で、「僕はクラッチタイムで彼を信頼しているし、しっかり応えてくれるスペシャルな選手」と賛辞を惜しまない。フィッツジェラルド本人は、得点源としての役割を理解しつつ、チームプレーの中で自身が生かされたことを強調する。
「第4クォーターにリズムをつかめたというのはありました。自分の打ちたいところでシュートを打てたり、チームメートがそういうスポットを探してくれたというのもあったので、周りに助けられてリズムができたと思いますし、ホームゲームでもあったので、勝ちたい気持ちが前面に出ていたというのもありました。次の試合に向けて、また同じように準備していかないといけないと思います」