東京ユナイテッドバスケットボールクラブの今シーズンのホームゲームは、15000人収容の有明アリーナメイン開催が3節ある。その2節目となる立川ダイス戦が1月25日・26日に行われ、連勝した東京Uはこの時点で24勝6敗とし、2位の座を堅持している。
GAME1が53失点、GAME2が62失点という結果からもわかる通り、第一の勝因はディフェンス。1試合平均70点を切ろうかという失点の少なさは、リーグでもトップクラスの数字だ。チーム全体にディフェンスの意識が浸透しているのは、今シーズン一貫してベンチスタートの今林萌のコメントからも読み取ることができる。
「トクさん(德川慎之介)と交代で入ることが多いんですが、トクさんのディフェンスのインテンシティーが高いので、僕が入って強度を下げないようにということは意識してます。自分の中ではスターティング5でもシックスマンでも役割は変わらないので、試合の入りが悪かったら流れを変える選手になりたいですし、良かったらその流れを継続できるように、ディフェンスから頑張ろうと思ってます」
東京Uのディフェンスのレベルを証明する事実が、チームの失点数以外にもう一つある。立川戦を終えた時点で、個人ランキングのスティール部門20位以内に東京Uの選手が川島蓮を筆頭に6人も名を連ねていたのだ。その後ローカス・ガスティスが順位を落としたものの、それでも5人が20位以内。開幕からの5試合で16スティールという数字を叩き出した今林も、常に10位以内につけている。
「インポート(外国籍選手)も含めて誰もサボらないのが、連動したディフェンスを可能にしてると思います。1人がちょっとでも手を抜いちゃったら目立つので、全員が意識の高さを維持できて、脚が動いてチームルールを守れているのが今シーズンの強み。ランキングに6人入ってるというのも、誰か1人が欠けても成立しないディフェンスができてるということだと思います。練習でも、ディフェンスメニューじゃないのに川島さんやトクさんとマッチアップすると強度がすごく高い。普段からそのインテンシティーを感じてる分、試合でプレーしやすいというのはあるかもしれないですね」
練習では単に強度が高いだけでなく、橋爪淳ヘッドコーチが映像を元に細部まで再確認。個々のディフェンス力をチームが最大限に引き出しているということが言えそうだ。
「橋爪さんが、試合が終わった後の最初の練習で個人のクリップを抜いてくれるんですが、ディフェンスのクリップが多いですし、例えば日曜の試合の前も、前日の試合のディフェンスの修正ポイントを明確に伝えてくれる。やることがわかりやすいので、修正もうまくできてると思います」
過去2シーズンも、ディフェンスは東京Uの大きな武器だった。今シーズンはそのこだわりがさらに徹底されていることが、今の成績につながっていると今林は証言する。
「昨シーズンはオフェンスにエラーが出ると勝ちきれなかったり、1日目に勝っても2日目を落としたりということがあったんですが、今シーズンは3ポイントが全然入らない日でもディフェンスでターンオーバーを誘発して、最終的には勝ってるという試合もある。ディフェンスで80分耐えながら戦い続けるという意識が根づいてるなと思います」