移籍市場が活発なBリーグにおいて、同一クラブで長くプレーする選手は限られるが、大城は東京八王子で8シーズン目。B2昇格も、1年でのB3降格も味わった貴重な1人として東京八王子に残り続ける大城は「昔からいるメンバーも亀崎(光博アシスタント)コーチと大金さんしかいないし、もう一度あの場所(B2)でやりたいという気持ちは、現役を続けてる原動力の一つ」と語り、「このチームに来たばかりの頃とは役割も違うので、チームを勝たせないといけない、仕事をしっかり果たさないといけないという意味では、今は責任を感じるようになってきてます」と自覚も増す一方だ。
今シーズンの東京八王子は伊藤修人をポイントガードのスターターに固定し、コンボガードの大城と大金は基本的に2番ポジションでプレー。大城がベンチに下がれば大金が出場と、起用法も明確だ。長年タッグを組んでいる分、大城が大金に寄せる信頼も厚い。
「昔からそうなんですが、どんな苦しい状況でも、最初は自分がどうにかしようと思ってプレーして、交代を告げられたら大金さんがやってくれるだろうという絶対的な信頼がある。良くも悪くも八王子を引っ張る2人だと思ってるので、良いほうに引っ張っていけるように。僕は大金さんを先輩としてすごく頼りにしてますし、かといって頼りすぎずに、僕ら2人で引っ張っていけるようにと思ってます」
2026-27シーズンのB.ONE参入を目指す東京八王子は、ホームゲーム1試合平均1500人動員の目標クリアへ順調に進んでいる。在籍歴の長い大城は、地域を盛り上げるためにより良いプレーを披露しようという意識も強くなっているところだ。
「今シーズンは特にお客さんが増えてるなって実感してます。運営の人たちが頑張って企画を立ててくれたり、地道にビラ配りしてくれてるのを僕たちも見てますし、そういう小さな積み重ねでお客さんが増えてるんだなというのは、今シーズンが一番感じてるかもしれません。来て良かった、もう1回見たい、毎週トレインズを見るのが楽しみと言ってもらえるような試合をしないといけない。いろんな人の支えがあって僕らは試合ができてるので、僕らの仕事はお客さんを魅了して、リピーターを増やすことだと思ってます」
最後に、東京八王子に残り続ける大城が感じている、クラブと地域の魅力をお伝えしておこう。第20節終了時点でまだ12位ではあるが、8位とは3ゲーム差の射程圏。自身の地元と同じような空気に包まれながらプレーする大城は、再び高みを目指す東京八王子をプレーオフに導くことができるか。
「チームは良い人ばかりだし、関係者やスポンサーさんもみんな温かい人ばかりで、それが八王子の街を象徴してるのかなって思います。応援してくれるブースターさんも熱いし、ちょっと沖縄に似てるところがある。そういうところが僕としても親しみを持ちやすいところかなって思ってて、人の温かさ、本当にこれに尽きます。環境もあまり都会じゃなくて、良い具合に田舎。すごく居心地が良いです」
文 吉川哲彦
写真提供 東京八王子ビートレインズ