この点を高橋に問うと、「本当にそうだと思います」と回答。そこにクラブの良さを感じているところもある。
「スターはいなくて、全員でつなげていくチームスタイル。それができれば勝ちますし、誰か1人集中力を欠いていたりすると良くない結果になる。誰か1人に頼るのではなく全員で戦うということを自分たちもわかってるので、そこを追求し続ける必要があると思います」
おそらく高橋は、岐阜復帰に際してはホームゲームの雰囲気も脳裏をよぎったのではないか。新潟戦GAME2の例のプレーで、会場のボルテージは一気に上がり、力強くチームを後押しした。岐阜スゥープスというクラブは、「SWOOPY」と呼ばれるブースターと良い関係性を築けている様子が窺える。
「見に来てくださってる方々、応援してくださってる方々がいて、僕らはバスケットができている。これは僕の話になっちゃうんですが、インスタのDMやメッセージで『いつもプレーを見て元気をもらってます』というコメントをいただくんですよ。でも、それは僕らも一緒で、僕らが頑張ってる姿を会場の皆さんが見て一緒に戦ってくれて、それが力になってる。お互い様というか、僕らもブースターの方々に元気をもらってるし、皆さんと一体感のある会場が好きで、すごくやりがいを感じてます。オンコートだけじゃなくて、スポンサーさんとかも一緒に戦ってくれてると思うんですよね。僕らは技術面とかいろいろ成長しないといけないんですが、その中でもそこは絶対に忘れずに、大切にしながら成長していきたいです。もっと応援したいと思ってもらうことが一番大事だと思うので、メンタルだけはしっかり作って、これからも良い練習をして良いゲームができたらと思ってます」
小林HC曰く、「快成は本当に素直でまっすぐ。素直すぎて、僕が求めたことにばかり意識がいって頭がいっぱいいっぱいになってしまうこともあるんですが、僕が求めることをしっかり受け止めて取り組む姿勢は素晴らしいので、快成の良さを引き出しながら、彼のバスケットIQや考え方を成長させていきたい。僕もまだ成長過程のコーチなので偉そうなことは言えませんが(笑)、いろんなことを感じながらプレーできるようになってきているので、今シーズンはすごく成長してくれてると思います」とのこと。プレーオフ制度が導入された一昨シーズン、岐阜は9位とその舞台にあと一歩届かなかった。限りない可能性を持つ高橋は、チームにその “あと一歩” を力強く踏み出させるという大きな役割を担っている。
文・写真 吉川哲彦