昨シーズンは参入初年度ながらレギュラーシーズン5位でプレーオフに進出した上、セミファイナルまで駒を進めた徳島ガンバロウズ。今シーズンはB2昇格の期待もふくらむというものだが、シーズンを折り返した時点では黒星が先行し、プレーオフ圏外となっている。
1月16日にはジェレミー・コームズをインジュアリーリストに登録。翌17日にアウェーで臨んだアースフレンズ東京Z戦は、緊急補強したタッカー・ヘイモンドが早速出場したものの、チームは65-75であえなく敗れた。コームズは開幕直後に続き、今回が2度目の登録。昨シーズン大きく貢献した外国籍選手を欠いた試合が多いことが、チームの不安定な戦いぶりにつながっているのは否めない。
「勝ち試合は外国籍選手が点を取って、日本人選手も2、3人が2ケタ得点を取るというのがあるんですが、今日は外国籍があまり点を取れなかったのが敗因の一つ。先週横浜さんに勝ったときはディフェンスでファイトできてましたが、今日は相手の外国籍に簡単にやられてしまったなと思います」
若狭功希が言う「横浜」とは、シーズン序盤から一貫して首位を走り続けている横浜エクセレンスのこと。徳島は年明けに横浜EXに土をつけたばかりであり、先月末には香川ファイブアローズも撃破。現在首位争いをしているチームにも勝つ力を持っていることを、徳島は証明した。
もちろん、若狭の貢献も大きい。昨シーズンはチーム内で日本人選手トップの1試合平均10.2得点をマーク。持ち前のシュート力が徳島の5アウトオフェンスにマッチしたことは、チームの上位進出の一因だった。それだけに、この東京Z戦で10得点を挙げた若狭も、アベレージで2ケタ得点に届いていない今シーズンの出来には満足しておらず、責任を感じている。
「今日はディフェンスでは60~70点くらいのパフォーマンスはできたんですが、今シーズンはオフェンスで活躍できてない。昨シーズン2ケタ得点を記録したというのもあって、コーチやスタッフ陣の信頼は厚くなってると思うので、オフェンスでもっと貢献できたらと思ってます」
一つ言えるのは、昨シーズンの結果を受けてチームも個人も他チームから警戒されているということだ。自身へのディフェンスが厳しくなっていることを若狭も実感し、今はその壁を乗り越えようとしているところでもある。
「今シーズンはあまりパーセンテージが良くないんですが、それでもボールを持った瞬間にディフェンスが目の前にいることが多いですし、アタックするスペースもないので『警戒されてるな』とは思います。ただ、もう何年もB3リーグでプレーしてきて、周りのチームも自分のプレースタイルをわかってきてると思いますし、今後の自分にとって、そこを打開するのが成長のきっかけになってくるかなと思ってます」
一方で、チームとしてオフェンスがうまく回らないときに何をしなければならないかということを若狭はよく理解している。この東京Z戦も、第4クォーター残り5分を切ったところで16点差をつけられる劣勢だったが、若狭がオフェンスリバウンドやテイクチャージに体を張ると追い上げムードが生まれ、残り1分42秒には若狭自身の3ポイントで6点差まで縮めることができた。最終的に負けはしたものの、若狭のハッスルプレーがチームに火をつけたことは確かだ。