週末2連戦で見せてきた表と裏の実力差
開幕から直近の千葉ジェッツ戦を迎えるまでの週末2連戦において、初戦に敗れるも翌日に見違える強さを見せ、同一カードでは連敗していなかった名古屋ダイヤモンドドルフィンズ。表と裏のような180度違う結果やパフォーマンスに、どちらが本当の実力なのかが分からない。
FIBAブレイク前の週末(11月9日・10日)は東地区首位の千葉Jと対戦。案の定、初戦は72-99と大敗を喫し、裏が出た。「厳しい現実を見た感じがする」とショーン・デニスヘッドコーチが長年に渡って築いてきた名古屋Dのスタイルが全く発揮できず、序盤から点差を離されていった。連戦2日目、本当に同じチームなのかと戸惑う。千葉Jのトレヴァー・グリーソンヘッドコーチは、「2試合目にカムバックをしてくることは想定内だった」と表に照準を合わせる。オーストラリアNBLで対戦してきたデニスヘッドコーチとは20年来の仲であり、性格やスタイルも熟知する。
第3クォーター中盤までは、名古屋Dがリードする時間帯もあった。しかし、そこから「相手に重要なポゼッションを取られ、オープンスリーを確実に決められた。我々も同じようにチャンスがあったが決め切れず、チャンピオンシップに出るためには我々も同じようにその力が必要になってくる」とデニスヘッドコーチは述べ、潮目が変わる。7本の3ポイントシュートを決め、36点をマークしたディージェイ・ホグ、同じく勝負強く3ポイントシュートをねじ込んだ富樫勇樹の活躍によって引き離され、82-96でこれまでと同じ結果をもたらすことはできなかった。今シーズン初の同一カード2連敗という結果になったが、大敗した初戦と比較すれば勝てるチャンスがあり、「昨日よりだいぶ良くできたと思うし、着実に一歩前へ進んでいる。今日できたプレーから、さらに組み立てていかなければいけない」とデニスヘッドコーチも表を基準とする。
これまで表と裏が出てきた週末2連戦の異なる戦いは、選手の遂行力が欠如していたせいか、はたまたスタッフ陣のスカウティングミスなのか ── 率直にデニスヘッドコーチへ質問すると、「答えが分かれば、逆に教えて欲しい」と苦笑い。
その答えのヒントのようなコメントを、齋藤拓実が残す。滋賀レイクス時代からデニスヘッドコーチとは過去5シーズンともに戦ってきた理解度の深さゆえに、現状に対する課題も強く感じていた。
「長く在籍している選手たちも、新加入選手に対してシステム的にうまく入り込めるようにプレシーズンゲームからずっと取り組んできています。でも、チームのシステムに対する理解度や遂行力が正直足りていないことで、今の結果につながっていると思います。また、あきらめてしまう姿勢は自分たちにはない文化であり、これから時間があるので、チームの文化からもう一度作り直さなければいけない。デニスヘッドコーチはバスケのところも、もう一度作り直さなければいけないと話していたので、しっかり時間を使って、12月から良い形で入れるようにしていきたいです」