B1・B2より一足先に幕を開けたB3。立川ダイスはホームで開幕を迎え、山口パッツファイブを相手に第1戦はアンドリュー・フィッツジェラルドの38得点という活躍で先勝した。しかし、翌日の第2戦は第2クォーターに9得点と失速し、ディフェンスでは高確率の3ポイントを被弾して黒星となった。この日は前日を上回る2603人もの観衆が集まっただけに、悔やまれる結果だった。
「昨日勝ったことに対する選手の満足、気の緩み、準備不足、それが全てだと思います。ドリューが38点取ったので、『今日はそれを抑えにくるよ、だから日本人がアタックするんだよ』とミーティングでも言ったんですが、『俺がやったるぞ』というマインドがセットされてなかったなという試合でした」
試合後の会見でこう振り返ったのは間橋健生ヘッドコーチ。フィッツジェラルドが18得点にとどまり、チームの得点も前日の90点から68点にダウン。得点源が封じられた分を周りがカバーできなかったことが、そのまま得点力の低下につながってしまったことを嘆いた。
その中で唯一、森黄州に関しては「それが彼の持ち味ですし、できればもっと行ってほしかったですが、エクスキューションしていたという意味では彼は良かった」と評価。続いて会見に登壇した森自身も、「ドリューを抑えてくるのはもちろんわかっていたので、日本人がアタックしようという話だったんですが、それができなかった」と振り返り、自身は後半になってアタックする意識を強めたものの、結果が伴わなかったという反省の弁が口をついた。
「前半からフォーメーションの形にこだわりすぎて、なかなかインサイドに行けなくて、後半は行きなさいと言われて行ったんですが、イージーなレイアップを3本落としてしまったのもダメでした。自分はドライブが得意なので、前半から積極的に行かなきゃいけない。次はしっかりできるように意識していきたいです」
埼玉県出身の森は、正智深谷高から大東文化大を経て埼玉ブロンコスに入団。埼玉ではハンドラーとしての素質を買われ、ポイントガードとしてもプレーしてきたが、出場機会に恵まれていたわけではなかった。当時からの成長を、自身はこう分析している。
「もともと埼玉のときから1対1は得意だったんですが、大事なのは5対5の中の1対1で、仲間のいる位置によってドライブに行ける方向が決まってくる、そっちに必ずドライブしないといけないということに気づいてなかった、見えてなかったというのがありました。そこに気づいてドライブできるようになったのは成長したのかなと思うんですが、まだ決定力に浮き沈みがあって、今日外したのもタフショットじゃなくて普通のレイアップだったので、それを決めていかないといけないと思います」
森は埼玉退団後に一旦Bリーグから離れ、3×3のTACHIKAWA DICEでプレーしていたという経歴の持ち主でもある。チームメートに池田千尋や福田大佑といった歴戦の猛者がいる中で、森もドライブや2ポイントで存在感を示し、強豪チームの主力として活躍。かつては女子チームも持ち、3×3の舞台では一大勢力とも呼べる活動を展開してきた立川は、今年度は3×3.EXE PREMIERに参戦せず、3×3チームの活動は限定的となっている。それに伴い、5人制チーム発足から2シーズン掛け持ちしていた森も今は5人制でのプレーに集中することとなったが、3×3で場数を踏んできた経験もまた、森にとっては大きな意味を持った。