9月27日の第1戦で12得点、翌日の第2戦でチームトップの16得点。B2復帰を目指す香川ファイブアローズは、新たに加わった岡田優介の活躍で東京八王子ビートレインズに連勝し、幸先の良いスタートを切った。
これまでの実績を考えれば、岡田が2ケタ得点を挙げたことは何も不思議なことではないが、特筆すべきは、2戦合計で9本のフィールドゴールと、第2戦で打った4本のフリースローをただの1本も落としていないことだ。元日本代表シューターの面目躍如といったところだが、岡田は現在40歳。さらには、プレシーズンゲームで脚を痛めて万全の状態ではなかった。コンディションが100%ではないにもかかわらず、シュート成功率が100%だったというコストパフォーマンスの良さが、その活躍をより光るものにしている。
「調整中で不安もあって、ある程度制限した中でのプレーだったので、軽く仕事できたらいいかなと思ってたんですが、案外動けて、できすぎじゃないかなというくらいシュートが入ったので良かったです。トレーナーがマッサージしてくれたり、周りの人がいろいろ手伝ってくれて、すごくサポートしてもらったので、そこに報える形になったというか、もっと言えば香川に来て良かった、少し力になれたかなぁという思いですね」
そこにはやはり、これまでに積み重ねてきたものもあっただろう。一貫してシューターとしてプレーしてきた岡田は、自身に与えられた役割はもちろんのこと、それを遂行するために何をすべきかということを十分に理解している。それもまた経験の為せる業だ。
「短い時間で効果的なシュートを決めたいと思ってたんですが、それが少し続いた感じです。昨日が良かったといってもそこに一喜一憂せずに、正しいシュートを打つ、チームで作ったシュートを打つというのはずっと意識してきたことなので、今日もワイドオープンでパスをもらえて、結果それが入ったし、悪いシュートは1本もなかったと思うし、全てのプレーの判断を正しくできたことで今回は数字がついてきたのかなと。これを続けていきたいと思ってます」
一口にシューターといっても、選手によってタイプは異なる。岡田は3ポイントラインの外で待機してパスを待つタイプではなく、味方のオフボールスクリーンも使いながら動き回り、ディフェンスを引きはがしてパスをもらいに行くプレースタイル。若い頃からそのスタイルは全く変わっておらず、この2日間も動き続けて自らシュートチャンスを作っていた。それでしっかり結果も生んだことは称賛に値するが、本人は「ここからもっと期待してほしい」と決して満足はしていない様子だ。
「正直、まだ体は万全じゃないので。その分、スクリーンの引っ掛け方とか、経験値を生かしてできることはたくさんあるし、まだまだできるということを証明できたと思います。B3は若い選手が多くて、スピードとかフィジカルでは勝てないですが、駆け引きとか全体の流れを見たプレーのチョイスとか、そこはもう長年やってるので今日も良いところが出せたかなと思います」
3シーズンプレーしたアルティーリ千葉を契約満了で退団した岡田は、自身もSNSに投稿していたように、まだプレーできるという自信から不完全燃焼感を抱きつつ、オファーがなければ現役を退かざるを得ないという現実と向き合わなければならなかった。そこに、京都ハンナリーズ時代のチームメートであり、同い年でもある籔内幸樹ヘッドコーチ率いる香川から声がかかり、無事に現役続行となった経緯がある。新天地でプレーするにあたり、一際高いモチベーションでこのシーズンに臨んでいることは想像に難くない。