「今日の試合で起きてしまったターンオーバーは僕も含め、チームとして改善できる部分です。自分たちから崩れるのではなく、まだ明日も試合があるのでしっかりと修正して、良いオフェンスにつなげられるようにしたいです」
悔しい結果ではあったが、「良い部分はたくさんあったのでそこは継続し、出だしの部分を修正していきたい」と前向きに捉える。25点で奮闘したドウェイン・エバンスも同じく、開口一番「全体的にはよく戦えていた」とポジティブな感想を述べ、レギュラーシーズン60試合を通して積み上げてきた広島らしさをぶつける集大成がCSだ。同じ西地区チャンピオンを相手にミスから学んで、チーム最長となる66試合目を勝ち獲るだけである。
セミファイナルのもうひとつのカードも、3戦目へもつれ込んだ。第1戦は広島同様、ワイルドカードで出場した千葉ジェッツが先手を取った。しかし、第2戦はホームの琉球ゴールデンキングスが勝利し、1勝1敗。第3戦は1日挟んで、5月21日に決着をつける。一方、名古屋D vs 広島は3連戦となり、翌5月20日のナイトゲームと続く。ホームコートアドバンテージがある名古屋Dが有利なのは変わらない。しかし、広島にはチームを離れ、日本のためにオリンピック出場を目指してハンガリーへ渡っていた三谷桂司朗と、ファイナルへ勝ち進めばまた一緒に戦える。名古屋Dの前身である三菱電機ダイヤモンドドルフィンズでもプレーした朝山正悟は、今シーズン限りでの引退を表明した。古巣を踏み台に最高の舞台へ上り詰めるまで、あと1勝に迫る。
バスケットLIVEの解説席では、同じく三菱電機で活躍した石崎巧大先生が、試合前から念入りなストレッチをしている姿も注目していただきたい。役者は揃った。名古屋の隣、新横浜への切符を手にするのはホームの名古屋Dか、または広島のアップセットが続くのか?
文・写真 泉誠一