東アジア・スーパーリーグ(EASL)に続き、天皇杯を制した千葉ジェッツは今シーズン早くも2つのタイトルをゲットした。しかし、チャンピオンシップへ向けて最終コーナーを回ったBリーグでは、東地区3位(29勝16敗 ※3月25日現在)。ワイルドカードの2枠を争っており、予断を許さない。直近の2試合はひとつ上の2位におり、9ゲーム差をつけられているアルバルク東京と対戦。3月23日の初戦は81-62、A東京が19点差をつけて快勝した。インジュリーリスト入りしたディー・ジェイ・ステフェンズに代わって、3月1日から千葉Jに戻って来たクリストファー・スミスが1クォーターで負傷し、翌日の試合も欠場を余儀なくされた。
千葉Jの2ガードに対し、高さで上回るA東京のマッチアップ。小川麻斗にはテーブス海を、平均18.7点を挙げるエースの富樫勇樹に対し、20cm高い187cmの小酒部泰暉をA東京はそれぞれマークにつけた。富樫は自ら得点を決めるだけではなく、ピック&ロールで仲間への得点をアシストすることにも長けている。2戦目の第1クォーター、小酒部は裏を取られるなど富樫に3本のアシストを決められ、13-20とまずは千葉Jが先手を取った。A東京が7点リードされて迎えた第2クォーター、小酒部はチームメイトとコミュニケーションを取り合い、連係プレーに対応しながら千葉Jの起点を潰していく。前半終了間際にレオナルド・メインデルが3ポイントシュートを沈め、29-28とA東京が逆転。富樫のアシストは3本のまま変わらず、得点は0に抑え、後半を迎えた。
デイニアス・アドマイティスヘッドコーチは「富樫選手に対して、1on1で良いディフェンスをしていた。簡単に身動きを取らせないように密着し、非常に良い仕事をしてくれた」と小酒部のディフェンスを評価する。第3クォーターのファーストシュートを富樫に決められたが、A東京の勢いは止まらず、残り5分34秒には47-38と9点差にリードを広げる。しかし、この直後、「少し気が緩んでしまった」とアドマイティスヘッドコーチは指摘し、この点差が流れを変えてしまった。
富樫に自由を与えることは、ピンチを意味する。前半は無得点に抑えていたが、第3クォーター残り56秒、10点目を決めた富樫の活躍により52-52とされ、試合が振り出しに戻る。最後までもつれる展開だったが、第3クォーターにリードしていた場面と、残り2分で2本のファストブレイクを許してしまった2つのディフェンスミスをアドマイティスヘッドコーチは敗因として挙げた。対する千葉Jは、A東京に15本のターンオーバーを誘発する。自身は5本とミスなく乗り切り、70-69で大きな1勝を手にした。