オフェンスでは安藤やビュフォードを休ませる役割とともに、一緒に出たときは「基本的にコーナーで構えてシューターとして待っていることが多いです」と動かないことで、バランスを保ってスペースを生む。どちらかが休んでいるときは、「僕もしっかりハンドラーとして組み立てられるように練習をしているので、そこは意識しています」とチームの歯車となりながらも存在感を示し、勝利に貢献した。
翌2戦目はA東京が90-80で勝利。前節の三遠ネオフェニックスにも初戦で敗れた翌日、ただ勝つだけではなく、チャンピオンシップでのホーム開催を勝ち獲るべく、得失点差で上回るためにデイニアス・アドマイティスヘッドコーチは発破をかけ続けた。このカードも1勝1敗だったが、+2でA東京が上回る結果となった。23勝18敗の島根は西地区3位、ワイルドカード2位は変わらない。だが、長崎ヴェルカに2連勝した群馬クレインサンダーズが同じ勝率で並び、3ゲーム差以内に6チームがひしめき合う混戦状態だ。
島根はシーズン序盤からケガ人などが多く、戦力が揃わなかったことで思うように勝ち星を積み上げられなかった。昨年11月12日、琉球ゴールデンキングスに敗れた後、「まだ46試合が残っていると言っても、西地区はどのチームも強豪揃いなので、この時期からしっかりと勝っていかなければチャンピオンシップ進出も危ないと思っています」と8勝6敗と勝ち越していたが6位だった当時から、津山は危機感を持っていた。厳しい状況は変わらないが、目指すべき場所へたどり着くためにもスタンダードを意識的に引き上げている。
「やっぱり目の前の試合を全力で戦うことが1番大事だと思っていますが、残りの試合はレギュラーシーズンをただ単にこなすだけではなく、常にチャンピオンシップを意識しながら緊張感を持って戦っていかなければいけないです。昨シーズンのチャンピンシップで試合をした時に(レギュラーシーズンとは)全然雰囲気も違ったので、そこを早めに今の段階から意識するようにしたいです」
健康第一であり、戦力が揃っているチームがやっぱり強い。ヘナレヘッドコーチもバイウィーク期間は休息とリカバリーを重視し、終盤戦を全員で戦い抜けるように努めていた。
文 泉誠一
写真 B.LEAGUE