日本代表戦があったことでの中断期間を終えたB1は、終盤戦へ向けて再開。東地区首位のアルバルク東京は、西地区3位の島根スサノオマジックを迎えたホームゲーム。チャンピオンシップ争いも佳境に入り、首位に立つA東京にとってはホーム開催権を死守するため、ワイルドカード2位と辛うじて指をかけている島根は確実にその切符を手にするためにも負けられない。意地を見せた島根が87-79で初戦を獲った。東地区の勝率で並んでいた宇都宮ブレックスが勝利したことで、A東京は2位陥落。残り20試合を切り、今後の1戦1戦の結果がチャンピオンシップへとつながっていく。
最初の島根の攻撃を24秒バイオレーションで抑え、バスケットカウントを含む連続3ポイントプレーを決めたA東京が、一気に11-2とリードを広げる。島根のポール・ヘナレヘッドコーチは、シーズンを通してディフェンス向上を課題としてきた。中断期間でそこをテコ入れしてきたはずにも関わらず、簡単にゴールを奪われてしまう。しかし、策を講じていなかったわけではなかった。「試合前、絶対に山も谷もあると展開になると予想していた。選手たちにはどんな展開になっても、結束して乗り越えるように伝えた」とおり、タイムアウト後に自分たちのプレーを取り戻す。悪い流れを断ちきるため、津山尚大をコートへ送る。「アルバルクはプレッシャーも強く、ピック&ロールのディフェンスも良いので、ネガティブにならずに前を向いて攻めようと思っていました」と津山は強気でペイントエリアへ侵入し、活路を見出す。
島根のBIG3であるペリン・ビュフォード、ニック・ケイ、そして安藤誓哉に対し、「ディフェンスが集中すると思っていたので、1本目のパスが来たときにノーマークだったら積極的にシュートを打とうと思っていました。ノーマークにならなければ、しっかりドライブしてアタックしようと決めていたことが、1本目で決まったので自分のリズムがつかめました」と最初の5分間で5点を挙げた津山は、第1クォーターの出場時間における得失点差は+7で勢いづけた。
ヘナレヘッドコーチはスタッツからディフェンス力を評価するディフェンスレーティングを比較し、リーグ下位に甘んじていることに課題を持っていた。ちなみにこの試合がはじまる前は、109.7でリーグ13位。対するA東京は98.9でリーグ2位、オフェンスレーティングも118.2と2位であり、攻撃力ある島根の116.6(3位)を上回る。
津山は「オフェンスよりもディフェンス」を心がけてコートに入る。「まずは僕が守るガード陣に対して、しっかりとプレッシャーをかけながら相手のリズムを崩すこと。今は(ウィリアムス)ニカがケガで戦列を離れ、エド(エドワード・モリス)が加入しましたがスモールラインナップになるために、3番ポジションの選手とマッチアップすることもあります。しっかりフィジカルで負けないように意識しました。そして、1番求められているのはスモールライナップだからこそリバウンドであり、しっかりと獲りきれるようにしたいです」とチームの要求に応えるべく、まわりを見ながら広いエリアに目を配る。