アウェーで臨んだ第20節の横浜エクセレンス戦で、徳島ガンバロウズは第1戦で逆転負けを喫したものの、翌日の第2戦は序盤からのリードを終始守りきる形で15点差の勝利。レギュラーシーズンの対戦成績を2勝2敗のタイとした上、マイナス14点だった得失点差もわずか1点ながら上回ってみせたことは、デマーカス・ベリーヘッドコーチにフォーカスした記事でも触れた通りだ。
そのベリーHCと同じく、昨シーズン横浜EXに在籍していた塚本雄貴は、貢献度が高い選手の1人。ここまでの40試合全てに出場し、スターターを外れたのは3試合だけ。開幕当初から徳島が常にプレーオフ圏内に位置しているのも、ベリーHCが導入した5アウトオフェンスを司令塔としてコントロールし、1試合平均5.0アシストでB3の個人ランキング5位につけている塚本の働きを抜きに語ることはできない。
「選手として、オンコートの面でもリーダーシップの面でもまだまだ成長できる部分はたくさんあると思いますが、チームも塚本自身も学びがある山あり谷ありのシーズンで選手として、リーダーとしてしっかり成長してきています。彼のここまでのプレーと、チームにもたらすリーダーシップは誇りに思っています」(ベリーHC)
塚本は、東京八王子ビートレインズの特別指定選手としてBリーグにデビューし、2019-20シーズンは東京サンレーヴスでプレーしたが、このシーズンの東京CRはコロナ禍の影響でB3リーグに参戦できず、塚本にとっては事実上のブランクになってしまった。そして、自身の出身地でもある横浜でプロキャリアを再開。横浜EXがホームを東京から移したのは、塚本にとってタイミングの良い出来事だった。
徳島に移籍し、レギュラーシーズン開幕戦の相手が古巣の横浜EXだったことも縁を感じさせるが、そのときはホーム開催。2シーズンを過ごした横浜武道館に今回こうして凱旋してきたことは、やはり塚本にとっては特別なものだったようだ。この日は5得点2アシストで、本人も「全然満足してない」とのことだが、その一方で5スティールをマークし、ディフェンスで大いに貢献。昨シーズンまでのチームメートとファンに、成長した姿を見せることはできた。
「エクセレンスが横浜に移転してきたタイミングで加入させていただいて、選手として地元でプレーできた。その前は1年間Bリーグでプレーしてなかったわけで、それでも横浜が拾ってくれたということはこれ以上ない機会でした。
会場の雰囲気も懐かしく感じました。この武道館の雰囲気はすごいものがあるし、ファンの皆様の声援がすごいので、相手に押し切られそうな時間帯もありましたが、その中でしっかりバスケットできたかなと思います」
ベリーHCもそうだったが、塚本もまた古巣の横浜EXに対しては感謝の気持ちが強い。同じポジションの西山達哉や田口暖とはマッチアップする時間帯も長く、この2試合に臨む気持ちは他の試合とは違うものがあった。