── 『周人さん』って丁寧でいいじゃないですか。
安藤 まあ、そうなんですが、今ではあいつ、俺のこと舐めくさってますからね。
齋藤 後輩からいじられるのはアルバルクに行っても変わらないんだ。
安藤 変わらん、変わらん。特に98年組(小酒部、吉井裕鷹、テーブス海)は舐めてるからね。後輩らしいのは玄(平岩)ぐらいだよ。ほんと、玄だけ。玄はいいやつです(笑)
── 安藤さんと齋藤さんは2020-21シーズンに名古屋ダイヤモンドドルフィンズで一緒にプレーしました。安藤さんは移籍してきた齋藤さんにどんな印象を持ちましたか。
安藤 それまで通り、まんまでしたね。めっちゃエラぶって、オラオラで来たらどうしようと思ってましたが、全然変わってなくて安心しました。
齋藤 オラオラで行くわけがない(笑)
安藤 まじめな話、拓実のことは大学時代から上手い選手だなあと思っていたので一緒にプレーできることはうれしかったです。大学出てアルバルクに行って、当時のヘッドコーチ、ルカ(パヴィチェヴィッチ)さんにいっぱい鍛えられたと思うんですね。多分いろいろ大変なことも多かったと思います。けど、こいつはそういったアルバルクで揉まれた経験をしっかり自分の力にして、レンタル移籍した滋賀(レイクス)ではすぐに中心選手になった。なかなか勝てなかった滋賀を強くしたイメージがあります。滋賀の試合はハイライトとかでもよく見ていたんですが、拓実、頑張ってんなあ、すごいなあと思っていました。それで、そのシーズンが終わった後(名古屋Dの)上の人に「齋藤拓実を取ってほしい」とお願いしたんです。
── えっ、安藤さんが直々にお願いしたんですか。
安藤 そうです。僕と泰斗(中東)さんとアシスタントコーチの小林(康法)さんと「得点能力が高いPGがもう1人欲しいよね」と話してて、「齋藤拓実、いいよね」、「うちに欲しいよね」となって、上にお願いに行きました。
── 齋藤さんはその経緯をご存知でしたか。
齋藤 はい。仲がいいという意味では周さんもそうですし、泰斗さんも同じ明治大の3年先輩ですし、2人が自分と一緒にプレーしたいと言ってくれてるのは何となく聞いてました。そういった中でオファーをいただいたという感じです。
── 先ほど安藤さんは移籍してきた齋藤さんについて「変わってなくて安心した」とおっしゃっていましたが、逆に齋藤さんはチームメイトになった安藤さんにどんな印象を持ちましたか。
齋藤 周さんには学生のときから “点取り屋” というイメージがありましたが、それは変わってなかったですね。さっきも言ったとおりサイズがあってシュート能力も高い。身体の強さを活かしたディフェンスも含め、ドルフィンズのバスケットを体現する中心選手だなあと感じました。
── 2人ともいい意味で学生時代からのイメージと変わってなかったわけですね。
齋藤 そうですね。お互いプロになっても心は少年みたいなところがありますから(笑)
安藤 ハハハハハ
── では、1年後、安藤さんがアルバルク東京に移籍すると聞いて淋しかったんじゃないですか。
齋藤 裏切られたと思いました。
安藤 おい、ちょっと待てよ。おまえには移籍の経緯を最初に話しただろ。ちゃんと話したよな。
齋藤 あっ、そうでした(笑)
安藤 言っとくけど、おまえ、そういうとこだぞ。そういうとこ!
コートの中ではバチバチと、コートの外では笑い転げて(2)へ続く
聖夜直前〈古巣〉決戦! B.LEAGUE 第14節 2023.12.23(土)/ 12.24(日)
アルバルク東京 vs 名古屋ダイヤモンドドルフィンズ at アリーナ立川立飛
文 松原貴実
写真 アルバルク東京、B.LEAGUE