「昨日の試合、すごかったですねぇ」
Fukaが言う「昨日の試合」とは、8月27日に行われた日本とフィンランドの一戦。各メディアにも大々的に取り上げられた逆転劇は、Fukaの心にも響いた。Fukaが現役チアリーダーとして最後にパフォーマンスを披露したバスケットの試合が、今から5年前のワールドカップ予選、日本vsオーストラリア。この試合もまた、日本バスケット界の歴史に刻まれる劇的な勝利だった。バスケットボールという競技の持つ魅力は、10年前までバスケットに縁のなかったFukaにとっても大切な財産となっている。
バスケット界だけでも既にZgirls(アースフレンズ東京Z)ディレクター、金沢武士団チアリーダーディレクターという2つの肩書を持っていたFukaに、この夏新たな肩書が3つも加わった。アルファヴィーナス(越谷アルファーズ)ディレクターとSEAGULLS(しながわシティバスケットボールクラブ)ディレクター、そして一般社団法人CHEER UNITE ASSOCIATION(以下CUA)代表理事。自ら設立した株式会社GRITの代表や、それ以前から籍を置いているチアリーディングチームStay Goldのメンバーなど、バスケット以外も含めると肩書は2ケタに達しようとしている。今の忙しさは、2008年にプロ野球チームでチアリーダーデビューを果たしたときどころか、「1、2年前からしても予想外です(笑)」とのことだ。
バスケット界でいう2022-23シーズンまでの時点でも多忙を極めていたFukaが、何故ここまで肩書を増やすのか。話は2020年、自身の会社設立までさかのぼる。
「自分の中では私自身はずっと同じことをやってきているのですが、バスケット界がBリーグの開幕によって盛り上がってきて、それに伴って応援してくださる方が増えてきました。その上で今いろんな仕事をいただいてるきっかけになったのは、会社を立ち上げたことだと思います。コロナ禍でエンターテイメントが力を失っていたときでしたが、私としてはチアの活動を1カ所でとどめず、様々な現場で学んでいきたいという思いがあったので、会社として案件を受けるという形で広げさせていただきました。そうすることで自分の世界も広がったと思うし、発信を増やすことで私と似たようなことを考えている方が実は周りにいっぱいいたんだなということにも気づいて、『みんなで頑張ろう』と変わってきた部分はあるかなと思います」
今回CUAを設立したことに関して、それを目指して具体的に動いていたわけではなかった。チアリーダーとして幅広く活動できる楽しさを知っていった中、共同でCUA代表理事を務めることになるSTAR JETS(千葉ジェッツ)・松田華衣ディレクターや、Bリーグ・島田慎二チェアマンといった周囲との関係性から形が明確になっていった。