テンポの速い日本のバスケスタイルが好調の要因
Bリーグは海外からも高い評価をされはじめており、今シーズンも30人近い外国籍選手が新たに海を渡ってやって来た。平均22.8点(※10月20日現在)のアンジェロ・カロイアロ(大阪エヴェッサ)を筆頭に、そのうち2/3は早くも平均二桁得点の活躍を見せる。川崎ブレイブサンダースに新加入したトーマス・ウィンブッシュは三遠ネオフェニックスとの開幕戦で24点を挙げ、平均16.4点(※10月20日現在)。オフェンスだけではなく、「ディフェスのアンカーであること」を大切にし、川崎のチームカラーに合致する期待の新戦力だ。
201cmのスモールフォワード/パワーフォワードが登録ポジションのウィンブッシュ。しかし、フェアモント州立大学からNBAサマーリーグ(アトランタ・ホークス、ロサンゼルス・クリッパーズ)、Gリーグ(ロングアイランド・ネッツ)といったアメリカではシューティングガードを担っていた。2019-20シーズンよりヨーロッパへ渡り、ドイツのMHPリーゼンからパワーフォワードへコンバートするも、遜色の無いスタッツを残している。2020-21シーズンにプレーしたフランスのナンテール92では、今年のNBAドラフトNo.1指名されたビクター・ウェンバンヤマがチームメイトだった。昨シーズンはロシアのゼニト・サンクトペテルブルクとイタリアのGeviナポリ・バスケットに所属。ロシアではVTBスーパーカップで平均15点をマークし、MVPを受賞。「新しい挑戦をしたい」と意欲を持って川崎に加入し、平均12.5点だったヨーロッパ時代を上回る活躍を早くも見せている。「日本はすごくアップダウンのテンポが速く、自分自身のプレースタイルにすごく合っているよ」というのも好調の要因だ。
佐藤賢次ヘッドコーチが求めることに応え、チームメートに求められるプレーに専念している。「まだ対戦していないチームや選手の方が多いので、相手の特徴もこれからインプットしていければいいかな」とウィンブッシュにとっての新たな挑戦がはじまった。
時と場合によって臨機応変に変えるプレースタイル
新潟アルビレックスBBから移籍してきたロスコ・アレンが新たに加わり、不動のジョーダン・ヒースとニック・ファジーカスとともに強固なペイントエリアを誇る。ビッグマンが豊富な川崎だからこそ、組み合わせによっていろんなウィンブッシュのプレーが見られるのも新たな楽しみ方だ。
「ボールを持ってアタックすることも得意なので、時と場合によってはそのようなプレーもできている。試合毎に求められることや、できることが変わってくると思っており、今は何が必要なのかを常に考えてプレーしている。例えば、調子が良いときには個の力を使って相手を打開してステップバックのシュート決めるなど、試合毎に役割は変わるし、パワーフォワードでもスモールフォワードでも全く問題ない」