「目標であるタイトル獲得に向けてチーム全員で戦っていけるメンバーが揃ったと思っております」
先日、横浜ビー・コルセアーズ新体制発表記者会見において、竹田謙GMは自信を持って今シーズンのロスターを発表する。「勝負強い得点力はチームにとっては、かなり大きなプラスとなる。彼のリーダーシップにも非常に期待している」とは、#1 ジェロード・ユトフ。2シーズン前に宇都宮ブレックスでチャンピオンとなった #40 ジョシュ・スコットは「インサイドの要となる重要な選手」と竹田GMはそれぞれ紹介し、期待値の高い新戦力を迎えた。
2022-23シーズンの売上は約12億円となり、前年比+35.2%増とクラブが大幅に躍進したことを説明する白井英介代表取締役。新B1と呼ばれる将来構想「B.革新」参入基準を現時点ではクリア。ビジネスとバスケの両輪で右肩上がりの横浜BC。昨シーズンは天皇杯とBリーグではいずれもベスト4、中地区2位という結果を踏まえ、今シーズンの目標は「タイトル獲得」を掲げた。
ユトフとスコットとともに、 #9 杉浦佑成と #12 西野曜を獲得。「どちらもフィジカルとサイズがあるスモールフォワード」と竹田GMは期待を寄せる。「選手である以上は1番高いレベルでプレーしたい」と杉浦が言うように、新B1参入の可能性も検討材料となる。一方で、「Bリーガーのほとんどがネガティブな要素として持っている」とは、横浜BCのホームコートだ。しかし、今シーズンよりウッドコートの採用が発表され、不安を払拭する誘い文句も決め手となった。記者会見に登壇した杉浦と西野に、新天地での意気込みを伺った。
「3番と4番の両方できるのが強み。それを試合で活かすことで使いやすい選手になるのかな」西野曜
移籍とは、Bリーグでの活躍が認められ、期待され、即戦力として迎えられる。3シーズンに渡ってサンロッカーズ渋谷でプレーした西野は、「得点の取り方がワンパターンではないところが強み」とアピールし、昨シーズンの平均13.3分、5.1点以上の活躍を目指す。スモールフォワード(3番)とパワーフォワード(4番)を両立できるのが西野の魅力でもある。
「極力3番ポジションでプレーしますが、試合中は何が起きるか分かりません。4番の可能性もあると準備し、(青木)勇人ヘッドコーチの求めることにしっかりとアジャストしていきたいです。両方できる強みを活かすことで、使いやすい選手になるのかなと感じています」
西野が全うする2つのポジションは似て非なるものであり、そのコンバートは難しいという選手も多い。しかし、「あまり意識はしたことないですけど、結局は点を獲りに行くことは同じ」と意にも介さない。
「基本的なスペーシングをしっかり意識しておけば、プレーも変わることはないかなと個人的に思います。最近はアウトサイドでプレーする4番も増えていますが、3番だとピックが入ってくるので、それに対する守り方が難しく、SR渋谷で3番にコンバートしたときからの課題としてきました。横浜BCの守り方のスタイルを遂行できるように、しっかり集中して取り組んでいきたいです」
横浜BCの躍進に対し、「河村勇輝というチームカラーはありますが、昨シーズン対戦して感じたのはすごくバランスが良かったこと。河村選手が起点にはなっていましたが、全員が厄介なプレーをしてきました。例えば、こちらのピック&ロールに対するデビン(オリバー)のディフェンスがすごく読みづらく、その強度も高かったです。組織力のあるチームだと感じました」と印象を抱く。同じサイズの赤穂雷太が秋田へ移籍し、「そこに自分が入ったと感じている人は多いと思います」と話す西野は、「でも」と続ける。