ピック&ロールで孤立する課題解決に期待して迎えた新戦力
Bリーグ2022-23シーズンを終えてから久しい。灼熱の陽射しに突き刺されながら向かった川崎ブレイブサンダースの記者会見は、どこか夏休み中に登校する感覚を思い出す。佐藤賢次ヘッドコーチの「皆さん、こんにちは。お久しぶりです」という第一声に引っ張られたのかもしれない。
川崎はロスターが入れ替わり、トーマス・ウィンブッシュ、ロスコ・アレン、野﨑零也、飯田遼の4選手が新たに加わった。北卓也GMは新シーズンへ向け、「ピック&ロールが主流となる昨今だが、ポイントガードとビッグマンのところで孤立してしまってボールが全然動かない」と昨シーズンの課題を指摘する。新戦力の特徴について「ロスコ選手にはドライブがあり、トーマス選手も身体能力が高くクイックネスもある。野﨑選手もドライブが非常に強く、飯田選手は3ポイントシュートが得意なので、それぞれの強みを発揮してもらいたい」と紹介し、ピック&ロールで孤立する課題解決に期待する。
防ぎようのないことだが主力のケガにより、過去2シーズンはベストメンバーでチャンピオンシップを戦えなかったことも反省点として挙げる。ケガによる不測の事態を想定し、「外国籍選手の大型化を図り、ビッグマンが一人欠けても代わりになる」ラインナップにした。
記者会見に登壇した野﨑と飯田に対し、佐藤ヘッドコーチは「2人とも体が強く、外国籍選手とのマッチアップに対して激しくタフなディフェンスができる選手。野﨑選手は、昨シーズンに対戦したときに大活躍され、同じ調子でがんばって欲しい。飯田選手はディフェンスのエナジーが高く、オフェンスではシュート力とドライブを期待している」とエールを送った。
今週からチーム練習が始動する川崎であり、選手だけではなくチームスタッフも新たに迎え、「コーチや選手たちとは、これからたくさんの時間を共有して、一緒に成長していきたい」と佐藤ヘッドコーチは話し、悲願のリーグ制覇を目指す。
伝統ある川崎は憧れのビッグクラブ
新加入の野﨑と飯田が、所信表明を行った。
「僕の強みはドライブと3ポイントシュート、そしてディフェンスの部分で川崎ブレイブサンダースに勢いをもたらせていきたいです。移籍してきたからには地区優勝、天皇杯優勝、そしてBリーグ制覇の3冠を目指していきたいと思っております。先輩方も素晴らしい選手ばかりなので、良いところを盗みながら、僕自身も成長していければと思っています」(野﨑)