アウェーを埋め尽くす心強いブースター
シュートが決まればベテランも若手も関係なく立ち上がって喜びを爆発させ、磯野が肩を痛めて倒れ込んだときは遠山向人ヘッドコーチを筆頭にベンチメンバー全員が駆け寄り、熊本のチームワークの良さが垣間見えた。「非常に性格の良い選手が多く集まっているので、そこが良いチームワークを出しているひとつの要因だと思います」と磯野は感じており、一丸となってB1昇格を目指す。
昨シーズンもB2プレーオフに出場したが、最後の3位決定戦はコロナ陽性者が出たために棄権となり、残念な結果に終わった。残るホームゲームもあと4試合。時期を同じくして熊本地震から7年を迎えるにあたり、負けられない。プロとして戦う意義を、遠山ヘッドコーチが熱く語ってくれた。
「プロチームである限り、応援してくれるステークホルダーやブースターの皆さんがいないと成り立たない仕事である。僕たちはファンのために、ブースターのために戦うのが当たり前。それが意義であり、目的でもある。熊本ブースターの皆さんのためにもっとファイトして、見ているみんなの心を動かして、喜んでくれるようなバスケットを届けて、その上でチームとクラブとブースターと街が一体となってB1を目指していきたい」
A千葉戦でも、熊本ベンチのまわりは多くのファンが応援に駆け付け、その声量ではホームを上回っていたようにも感じる。「アウェーにも必ず来ていただき、多くの方に応援されているチームです。九州圏内であれば、むしろ熊本ブースターの方が多いんじゃないかってぐらい会場を埋め尽くしていただいています。常に僕らのプレーを後押しし、ともに戦ってくれています」と磯野は感謝する。ホーム開催権を得られなかったB2プレーオフだが、ブースターの存在がチームにとっては心強い。今週末から熊本でも声出し応援が戻って来る。2週続くラストホームゲームへ向け、「皆さんの声援を受けながらブースターのために全力で、全身全霊でがんばっていきます」と磯野は約束し、熊本一丸で突っ走る。
文・写真 泉誠一