「結果よりもプロセス」「様々なシチュエーションを想定」
A千葉は西地区3位の熊本に4連勝、同首位の佐賀バルーナーズにも2連勝し、2位の長崎ヴェルカとは2月に行われたアウェーゲームで2連勝。今年に入ってから西地区上位チームとの対戦で負けていない。対戦回数が少ない西地区との試合へ向け、レマニスヘッドコーチは「プレッシャーディフェンスやスカウティングを徹底してくるチームを相手に対して、どうオフェンスを遂行できるかが大事になる。今日の試合で良かった部分もあれば、修正しなければいけない部分もあった。どうオープンを作ってイージーシュートを打てるようにするかは、プレーオフへ向けても大きな学びになった」と準備し、そして成長の糧にしている。
3連勝中のA千葉に対し、東地区2位の越谷アルファーズは5連勝し、ピッタリ1ゲーム差で追いかける。この両チームの対戦は、図ったようにリーグ最終戦となる4月22日・23日に千葉ポートアリーナで行われる。残り6試合、どのチームにとっても負けられず、気持ちもフィジカル面でもより激しく向かって来る。残る試合へ向け、レマニスヘッドコーチは「相手やレフェリーのジャッジではなく、自分たちがコントロールできることにフォーカスする必要がある。どれだけ集中し、そしてメンタルを保ちながら常に冷静にプレーすることが大事になる。結果よりも良いプロセスを踏めているかどうかを大切にしている」と述べ、経験豊富なベテランが多いこともメリットと考える。
チーム最年少の藤本巧太は、「全体1位や東地区1位通過も大切ですが、越谷戦までの試合を落としてしまえば、最終戦は大事な試合ではなくなってしまうかもしれません。しっかりとそこへつなげるためにも、次の(西宮)ストークス戦から一つひとつ目の前の試合を大切に戦っていきたいです」と一歩一歩進んでいくだけである。その西宮は東地区4位、同3位の福島ファイヤーボンズ、そして2位の越谷とランク順に負けられない同地区対決が続く。
B2プレーオフ進出が決まっている熊本だが、2位の長崎まで8ゲーム差がつき、ホーム開催権を得ることはもうできない。その初戦でA千葉と対戦する可能性もある中で、順位が変わらない熊本はどのような戦い方を選択したのか。「負けに来たわけではないし、もちろん勝ちに行った」という遠山ヘッドコーチは、以下のような考えがあった。
「プレーオフへ向けて試したいこともいろいろあった。それをチームに言い過ぎたことで、初戦は試すことが中心のゲームだと選手たちが受け取ってしまい、すごくソフトになってしまったのは反省点。でも、2戦目はしっかり戦ってくれる中で試すこともできた。様々なシチュエーションを想定しながら、そこでどうなるかという場面を多く見られたことが良かった」
順位として結果は出るが、レギュラーシーズンが終われば一度リセットされる。B2プレーオフまでの短い期間でも、チームは変化できる。徐々に声出し応援が解禁になったことも大きな変化であり、ファンの熱量こそがB1昇格に欠かせない。両チームに、そのポテンシャルは十分感じられた。
文・写真 泉誠一