ハイレベルなディフェンシブな戦いに見えた光明
この週末、千葉県では同時刻に2つの試合が行われた。全38チームと大所帯のBリーグゆえに、複数チームが同じ地域になるケースがいくつかある。千葉ポートアリーナは、現在B2東地区首位を走るアルティーリ千葉のメインホーム。しかし、4月1日・2日を先に抑えていたのは、B1東地区首位の千葉ジェッツだった。両日チケット完売、6千人を超える盛り上がりを見せた。
本拠地を明け渡すかたちとなったA千葉は、夢の国の隣にあるバルドラール浦安アリーナで3度目のホームゲームを開催。B2西地区3位の熊本ヴォルターズを迎え、2連勝を飾った。初戦は94-83だったが、続く2戦目は66-62とロースコアな展開となる。「ディフェンスの強度の高さとハードワークを2戦目にもかかわらず、全員が出してくれた。そのために、お互いにハイレベルなディフェンシブな戦いになった」とA千葉のアンドレ・レマニスヘッドコーチは選手たちを称え、タフな試合を制した。
対する熊本の遠山向人ヘッドコーチも、「昨日と比べて両チームとも非常にディフェンシブなゲームの中で、選手たちはよくがんばってくれた。結果としては負けてしまったが、非常にポジティブな要素が多いゲームになり、プレーオフに向けて収穫の多いゲームだった」とその表情は明るい。
2戦目の立ち上がり、ベンチの向こう側でオフェンスを展開する選手たちに向かって、「ウェイクアップ!」と遠山ヘッドコーチは大きな声を挙げる。A千葉は連続でタフショットを決め、気合いを見せる。一方、熊本は「意図したオープンを作り、なおかつ意図したレイアップまでチャンスを作っているのに、それをソフトにプレーして外していた。責任感をもっと持たなければいけなかった」と活を入れるためのウェイクアップコールだった。前半を終え、22-28と6点を追いかける熊本は、「ハンドラーがボールを持つ時間が長く、かつ一ヶ所を狙いすぎていたオフェンスが多かった」点を修正し、後半へと向かう。
スキップパスから磯野寛晃、谷口光貴、神里和が次々と3ポイントシュートを沈めた熊本が、第3クォーター中盤にリードを奪う。「本当はロングパスよりもショートパスで回したかったが、それでも少しオープンは作れていた。良いカッティングもあり、そこはポジティブな要素だった」と遠山ヘッドコーチは評価する。オフェンスの流れを呼び込んだ要因こそ、ディフェンスだった。「熊本らしいディフェンスを少しは出せたことで、点差を縮めることができて良かったです」という磯野は、速攻からダンクを決めた。もちろん、この結果には満足していない。
「でも、最後は勝ち切れなかったので、そこはまだまだ僕らが成長していかなければいけないことが今日の試合で明確になったと思います。そこをしっかりと突き詰めて、今後も取り組んでいかなければなりません」