首位陥落……プレーオフ前で良かった上位チーム相手の連敗
2月12日、B3リーグの首位を走っていたベルテックス静岡が早くもプレーオフ進出を決めた。しかし3月に入ると、同じくプレーオフを決めた岩手ビッグブルズ、さいたまブロンコスに連敗を喫し、首位陥落。「私がいる3年間で4連敗ははじめてだった」と肩を落とすファクンド・ミュラーヘッドコーチ。キャプテンの岡田雄三は「大事な試合を落とし、首位から一気に3位まで順位も落としてしまいました。一人ひとりが気持ちを切り替えられているどうかも分からないまま、この試合を迎えました」という5位・横浜エクセレンスとの対戦。3月17日の初戦は92-85、連敗を抜け出す1勝を挙げた。
「膿を出せたというか、本当にもう一度チームとして変わることができなければ、プレーオフでも勝てないことを1ヶ月前に知ることができて良かったです。今日はチャレンジャーとして這い上がっていくところがプレーに出たと思います」と岡田は連敗を前向きに捉え、13点を挙げてチームを引っ張る。ミュラーヘッドコーチも「エクセレンスの方がかなりの時間帯リードしていたのに対し、我々が追いかける展開だった。リードはされていたが、そこまで点差は離されることなく残り3分までよくガマンして戦い、しっかり勝ち切ることができた」と安堵の表情を見せた。
この試合の勝因はディフェンスであり、両チームとも各クォーター20点を越えていたが、最後の10分間を17点に抑える。「相手の平均失点を下げる良いディフェンスができた。ディフェンスからブレイクを出すことができ、逆転勝利をおさめられた」とミュラーヘッドコーチが目指すスタイルで巻き返してつかんだ1勝だった。先発を担う岡田だが、第4クォーターはベンチで声を出す時間帯が長かった。「吉田(健太郎)選手も山田(安斗夢)選手も、ここ最近は得点面でチームを助けてくれているので、そこは安心して見ていました」という岡田は残り2分22秒、76-81で追いかける場面で送り出される。
「コートに入ったらその2人により良い状態でシュートを打たせられるように、自分の持ち味である速い展開を意識していました。最後の場面も、そこから吉田選手のレイアップなど良い展開につなげられたので、自分たちの速いバスケットを活かしたいとベンチから見ていて思っていました。残り少ない時間で、その強みを出せたことが良かったです」
連敗を抜け出した岡田は、「明日も勝ってはじめて負けの教訓を活かすことができたと言えます」と気を引き締める。しかし、翌日は82-87でふたたび接戦を落とし、4位まで順位を下げた。残る6試合のうち、今週末と来週末の4試合は静岡市中央体育館でのホームゲームが続く。ファンの声援を力に変え、もう一度浮上するためにも自分たちのバスケを取り戻さねばならない。