B2トップレベルのディフェンス対決
東地区首位のアルティーリ千葉と西地区首位の佐賀バルーナーズによるB2東西首位対決が実現。B1昇格へ向けたB2プレーオフを占う注目のカードは、ホームのA千葉が先手を取った。
佐賀の宮永雄太ヘッドコーチが「我々はディフェンスチーム」と自負すれば、A千葉のアンドレ・レマニスヘッドコーチも「佐賀はB2でもトップレベルのディフェンスを誇るチーム」と認める。ディフェンシブな佐賀が最初から24秒バイオレーションを奪い、A千葉のチャンスを潰してリズムを作る。しかし、A千葉もディフェンスの強度を上げるとすぐさま同点に追いついた。どちらも譲らぬ展開が続く。バチバチとぶつかり合い、こぼれたボールを両チームの選手が身を投げ出して奪い合う。「我々も負けずにディフェンスで食らいついて行ったことで、相手を67点に抑えることができた」とレマニスヘッドコーチが言うとおり、72-67でA千葉が先勝した。接戦の末に敗れた佐賀だったが、「72失点はけっして悪くなかった」と宮永ヘッドコーチはディフェンスについて及第点を与える。
今シーズンこれまで平均13.7点、3ポイントシュート成功率も38.5%とキャリアハイを更新中の西川貴之。レマニスヘッドコーチはスカウティングをしていた際、「とにかくスクリーンを使ったり、ピンダウンを使ったりと良い動きをする選手。彼を使ったオフェンスのプレーコールも多く、ディフェンスするのは難しいと感じていた」。佐賀のキープレーヤーに対し、A千葉は大塚裕土と木田貴明をマッチアップさせ、「とにかく相手の前にいると状態を作る」ように指示し、初戦は西川を1点に抑えることに成功し、勝利をたぐり寄せた。
西川に対して、「相手はトラップなどを仕掛けて守られていたので、まわりがもっと良いスペーシングからアタックするシチュエーションを引き出したかった」と悔やむ宮永ヘッドコーチ。西川だけではなく、相手のディフェンスを壊すチェイス・フィーラーが初戦は本調子ではなく、ファウルトラブルもあったことで西川が鳴りを潜めてしまった。
「このような上位チームとの対戦となると、やっぱり1本のシュートやひとつのミスが勝敗を分ける。しっかりと最後に勝ち切れるように、また明日に向けて準備したい」とリベンジを誓う宮永ヘッドコーチ。誕生日を勝利で飾ることができたレマニスヘッドコーチは、プレーオフへのシミュレーションとしても満足のいく試合となった。
迎えた2戦目、初戦の鬱憤を晴らすように6本の3ポイントシュートを成功させた西川が、キャリアハイの33点に迫る32点をマークする。第4クォーターだけで11回もリードが入れ替わり、どちらが勝ってもおかしくなかった。最後にレオ・ライオンズが大きなステップからゴールをねじ込んだA千葉が、82-80で連日の接戦を制した。この結果により、38勝11敗で勝率が並んだ。B2プレーオフ ファイナルのホームゲーム権争奪戦は、これからがおもしろくなっていく。