シューティングガードのジャニングは、日本人選手とマッチアップする機会が多い。ヨーロッパで長くプレーしてきたことで、「最初は慣れるのに時間がかかった」のも無理はない。頭ひとつ分ほど身長の低い選手をマークすることも少なくない。相手はその体格差を補うために、「ファウルするくらい当たってディフェンスをしろ。マットにボールを渡すな。簡単なシュートを打たせるな」と、なりふり構わないディフェンスに手こずったのは昨シーズンまでの話。
「対戦相手のスタイルや選手の特徴を理解することに時間を費やしてきたからね。相手のことさえ分かってしまえば、試合に対するメンタル面で余裕が持てる。Bリーグでの戦い方、そして相手の特徴も把握できたことで、今シーズンは予測できない状況を払拭して戦えているよ」
次戦3月15日(水)は勝率で並ぶ横浜ビー・コルセアーズのホームへ乗り込み、中地区首位決戦が待っている。横浜の起点となる河村勇輝に対し、千葉ジェッツがヴィック・ローをマッチアップさせたように、身長差を活かしたジャニングが止めにいく可能性もある。「同地区対決も増え、負けられない試合が続く。もちろん最初の目標は中地区優勝。そして、チャンピオンシップのホーム開催権獲得が大事であり、その目標に向かっていくだけさ」とジャニングは力を込め、機動力を備えた川崎のビッグラインナップを牽引する。
川崎がBリーグにおいて横浜に敗れたのは、3シーズン前の2020年1月22日だけであり、神奈川ダービーを勝ちまくってきた。しかし、今年度の天皇杯では74-77で敗れ、3次ラウンド敗退。この1敗に対し、「神奈川ダービーはレギュラーシーズンであと3試合残っているが、その全てが天皇杯のリベンジマッチだと思っている」と篠山竜青も恨み節。シーズン中は勝てない横浜にとっても、リベンジしなければならない相手。声出し応援が解禁された横浜ホーム開催であり、今シーズンはようやくダービーらしい熱き戦いが期待できそうだ。
文 泉誠一
写真 B.LEAGUE